インプラント NAVIに関するQ&A

Q.圧入機が杭位置の逸脱を検知して自動で調整を行うのですか?

A.圧入機の操作はオペレータによるもので、自動調整機能といったものは現状含まれていません。
インプラント NAVI®を用いることで、オペレータは杭位置をリアルタイムに把握しながら、圧入機の操作が可能となります。

Q.現行の計測作業/機器(水準器やレーザー照射など)が不要となるのですか?

A.座標入力などの際に人的要因によるミスもありえるため、水準器やレーザー照射によるダブルチェックを推奨します。しかし、パイルレーザーを設置できない現場では、インプラント NAVI のみで施工精度確認を行うことも可能です。

Q.分解能について

A.インプラント NAVI は計測器を用いたシステムであり、センサーとは異なるため分解能(感度)といったものとは異なります。
鉛直精度については杭上部と下部の変位量を高低差(距離)で割ることで求めており、現行の管理基準値表記(1/100)にあわせた表記を行っています。また変位は0.1mm単位、距離は1mm単位にて管理しており、小数第四位までの計算と表示が可能です。

Q.ノンプリズムでの測定点はどうやって決めているのですか?

A.(杭が真円であることを条件に)測定点2点(円周上)の位置と杭の半径より杭芯を求めることができ、また円の中心と測定点2点の距離が判明することから、測定点の座標を用いることで杭芯の座標を算出することが可能となります。
上記のことからも、杭上部・下部各2点の測定点は任意の位置に設定して問題ありません。

Q.ノンプリズムでの測定点について注意事項はありますか?

A.
・2点ともにほぼ同一レベルで設定してください。高さ方向にバラつきが生じると杭芯座標の計算に誤差が生じます。
・フラットに近い位置で測定を行うと精度が高くなります。
・端部ギリギリに設定してしまうと、杭を調整のため動かした際に測定点が杭から外れてしまい、再設定が必要となるケースがあります。
・杭中心線より左右ともにおよそ1/4程度の距離をとった位置を設定されることを推奨します。

Q.器械位置に関して注意事項はありますか?

A.現場状況は様々であるため、測定の流れ・現場工程などを考慮しながら測定しやすい環境を構築する必要があります。

以下が器械設置に関わる標準的な条件です。
・ 視通が効きやすく、障害物の少ない位置とすること
・ 距離はTSの性能範囲内に収めること
・ 杭天端に設置されたプリズムとの角度が45度以下となるよう設置すること
・ 計画天端位置を視準できること
・ 安定した地盤面に設置すること
・ 周辺からみても器械自身が目視可能であること(物陰等に隠れていない)

測定⾵景

Q.圧入機「サイレントパイラー」と「インプラント NAVI」は必ずセットでないといけないのでしょうか?

A.各々が目的とする機能は別(杭打ちと施工管理)であり、単独での使用はもちろん可能です。

「サイレントパイラー」に付随するPPTS®地盤情報推定や圧入管理データとの連動による3次元モデル化(地下の可視化)、圧入機であれば施工途中における杭位置の微調整が可能というように、圧入機と連動することで機能の拡張が図れるものとなっています。

Q.視準距離について

A.ノンプリズム測定が仕様上最大100mまで可能な機種を使用していますが、 杭の表面の色や雨天での計測を想定すると、約60mまでの使用を推奨しています。それ以上の測定距離が予想される現場では、長距離用の機種の使用も可能です。

Q.斜杭施工への対応について

A.2022年6月時点では未対応です。

Q.プリズム設置の際、複数回のつけ外しが発生しますか?

A.杭打ち込み作業中のプリズム付け替えは必要ありません。

Q.事前に必要な情報や準備はありますか?

A.工事概要や設計座標、機材の外観説明等、別紙(事前確認事項)をお渡ししてご確認いただいています。

Q.対応可能な杭材について

A.鋼管杭、鋼管矢板、ハット形鋼矢板が対象です。
ただし、ハット形鋼矢板については、プリズム治具の改良などを進めています。また、今後は適用できる杭を順次拡大していく予定です。

Q.ユーザーにご周知いただきたいことについて

A.
・深度用プリズム(360度プリズム)は、太陽光の角度や雨天によって測定できない場合があります。
・測定可能距離については、気象や測定環境により変動します。

Q.変位、傾斜、深度管理のうち、ユーザーからよくお問い合わせがあるのはなんですか?

A.変位、傾斜です。
現状のi-Constructionでは深度管理まで要求されませんが、今後は重要となる項目です。

Q.ユーザーにご用意いただきたいデータについて

A.杭芯設計座標データ、基準点座標データ、杭径・杭長データ、CAD平面図です。
TS(トータルステーション)の設置位置が決まっている場合は、その器械点座標データも必要です。現場の施工状況によって視通できる基準点が変わる可能性があるため、基準点はできる限り多くの情報をご提供いただくようお願いしています。

Q.TSと計測する杭に制限距離や制限角度、4点計測の制限距離角度などはありますか?

A.最小距離は0.5m、最大は100mです。しかし、杭の色・材質や雨天時のことを考慮して約60mを推奨しています。
角度はプリズムの視野角である上下45度が制限です。

Q. TSを設置する際の座標配置について、推奨位置はありますか?

A.毎日設置するため、TS、基準点共に設置しやすい位置が望ましいです。何か問題があったときに容易に確認できる位置を推奨しています。
視通がしやすく安定している場所であれば、多少の距離や角度は関係ありません。杭打設前方方向に設置できない場合は、後方交会法による測定も可能です。しかし、「サイレントパイラー」のステージや作業員が横切ることがあるので注意が必要です。

Q. TSは、杭の通り(法線)に設置すれば精度は上がりますか?

A.法線上か否かは精度に影響ありません。
法線上付近に設置すれば、一般的に視通しやすく測定環境は良いと考えられます。

Q.電子納品資料の出力できる形式について

A. Excelファイルです。グラフは画像で作成しているため修正できません。

Q.検定を依頼する場合、依頼先に指定はありますか?

A.依頼先に指定はありません。
TSや一素子プリズムなどの測量機器は、購入先の商社経由でメーカーに依頼しています。

Q.360°プリズム取付治具は付属されていますか︖ いくつかのタイプを揃える必要がありますか?

A.鋼管杭に適用するスイベル用プリズム治具が標準セットとして入っています。
鋼管矢板用、ハット形鋼矢板用の取付治具はオプションです。