杭精度管理システム「インプラント NAVI

圧入杭の精度管理・出来形資料の自動作成、3次元モデルで構造物を”見える化”

「インプラント NAVI」は、施工中の杭の貫入深度や変位、傾斜データをリアルタイムに取得し、高精度な杭の施工品質管理と各種出来形資料の自動作成、3次元モデルの作成を実現する統合システムです。

インプラント NAVI紹介動画

インプラント NAVIの特長

自動計測(圧入機の動作と連動)

圧入機「ジャイロパイラー®「サイレントパイラー®Fシリーズの動作(チャック開閉、回転、上下動作)と連動し、最適な状態での計測を自動で行うことができます。
計測に当たって特別な資格は必要ありません。

杭の挙動をリアルタイムに把握

施工中の杭の挙動(貫入深度、変位、傾斜)をBluetooth®接続したPC上でリアルタイムかつ高精度に把握できます。

他の場所からの遠隔監視も可能

現場から離れた事務所等でもリアルタイムにデータチェックが可能です。(PC、タブレットおよびスマートフォンから閲覧可能)

3D-CADとの連携(オプション)

杭後継、座標値、杭長などから、自動的に3Dモデルを作成できます。後工程や維持管理に活用できる出来形の3次元モデル(CIMデータ)として納品することも可能です。

※CIM = Construction information Modeling / Management (構造物の3次元モデルに、任意の属性情報を付与したデータ)

杭の実測値をCAD上に自動的にプロット

取得した杭の実測値がCAD図面上に自動的にプロットされます。DWG形式で書き出されるため、データに高い互換性があります。

黒線:計画線 赤線:実測値

電子納品用に自動フォーマット化

取得した計測データはリアルタイムに計測用PCに送られ、電子納品用フォーマットで帳票出力できます。
・測定結果総括表
・測定結果一覧表
・出来形管理図
・杭偏芯量測定図

インプラント NAVI 導入のメリット

杭圧入時に変位、傾斜を確認しながら施工することによって、高精度の杭施工管理を実現し、電子納品用フォーマットでの一括出来形作成でコストを縮減。3次元モデルによる「見える化」により、視覚的に分かりやすく施工状況を確認することができます。

計測のしくみ

トータルステーションで杭天端に設置した360°プリズムの測定と、杭の上部・下部の各2点のノンプリズム測定を行います。

貫入深度は360°プリズムを一定間隔で自動追尾することで計測します。杭の変位・傾斜は圧入機の動作と連動し、チャック開閉時の杭が停止した状態で4点を自動計測し、座標データを取得します。

■出来形帳票の自動作成と遠隔監視
杭一本ごとの計測データはノートPCに蓄積され、施工図(2DCAD)の計画線上に実測値が自動的にプロットされます。加えて、完成杭のデータを基に電子納品用フォーマットで出来形帳票を出力できます。

また、ネット環境があれば現場から離れた現場事務所等でも遠隔監視が可能で、リアルタイムにデータチェックが行えます。

計測の作業フロー

事前準備

・計測用PCに杭口径、杭長、設定座標を設定
・基準点座標の確認
・使用スイベルの高さ確認(ポート数、図面)、ワイヤー(2m程度)の準備

計測準備

・トータルステーション設置(視通確認)
・プリズム設置、基準点・器械点確認
・計測用PC設置・通信確認、パイラー通信ユニット設置・通信確認

計測

・測定点登録、視通確保
・プリズム測定…自動追尾
・ノンプリズム測定…圧入機の動作と連動し自動計測

成果データ 

・測定結果一覧表
・偏芯量測定図
・経時変化図、深度変化図

適用事例

工事名隅田川(相生橋下流)左岸防潮堤防耐震補強工事(その2)及びテラス工事(その3)
工種ジャイロプレス工法
杭種鋼管杭
計画杭本数46本
期間
※鋼管杭圧入時~地盤改良後の出来形測定
2019年6月11日~11月21日

画像クリックで拡大

3D-CADとの連携 (オプション)

施工前の杭の設計データと土質柱状図を3次元基本出来形図として作成することもできます。3次元モデルで構造物を「見える化」することで、関係者間で合意形成の迅速化・高度化が図れます。また、後工程や維持管理段階での工程を事前検討することで課題・トラブルを解決、予防することができます。

国土地理院の3Dデータを利用可能

国土地理院が公開している電子国土データを使うことができます。工事範囲に合わせて自由にデータを選択できます。

国土地理院ウェブサイト

ドローンで撮影したデータにも配置可能

3Dで作成された図面と現場データのリンクが可能。2Dや3Dでデータを確認でき、ユーザーに分かりやすく表示することができます。

EXCELデータとの連携

3DデータとExcelを連携することができ、双方向的に属性の確認ができます。 3Dデータ側で杭をクリックすれば、該当の Excel の情報を見ることができ、逆にExcel 側で該当のセルをクリックすれば3Dデータ上でその杭にズームし、ハイライト表示されます。

■インプラント NAVI オプションシステム

インプラント NAVI には以下の6つのオプションがあります。オプションは複数の組み合わせが可能です。施工条件によっては検討を要する場合がありますのでお問い合わせください。

▶小口径鋼管杭精度管理システム
鋼管杭の杭間止水方法として用いられ、高い施工精度が求められる小口径鋼管杭の施工で精度管理を行います。本システムにより、施工済みの鋼管杭に精度よく沿った状態で小口径鋼管杭を施工できるよう管理が可能になります。

▶締切閉合支援システム
杭施工管理データから作成した3次元モデルを用いて閉合シミュレーションを行います。鋼管矢板・鋼管杭を用いた円形締切りや矩形締切りに適用できます。任意の杭位置から閉合部までの杭間距離や傾斜を3次元モデルで確認できるため、事前に締切閉合部の施工可否を判断し、対策することができます。

▶鋼管継ぎ施工精度管理システム
杭を溶接で継ぎ足しながら施工する継施工において、溶接の精度管理を行います。地中部の杭の傾斜データに合わせて上に継ぎ足す杭の傾斜を一致させるようにナビゲーションし、「くの字」に曲がった状態で溶接されないように精度管理できます。

▶ハット形鋼矢板計測システム
継ぎ手部の上下2カ所に取り付けたプリズムを自動計測することで、施工中の鋼矢板の変位と傾斜、座標位置をリアルタイムに管理します。

▶3次元モデル作成システム
インプラント NAVI と圧入管理システムを用いて施工された完成杭のデータを基に、CIMデータとして納品可能な3次元モデルを作成します。また「インプラント NAVI Viewer」をインストールすることで、発注者と3次元モデルデータの確認・共有を行うことができます。

▶小型ネットワーク式傾斜計併用システム
鋼矢板・鋼管矢板の施工精度管理を行う際、インプラント NAVI は、地上部の計測データから地中部の進入角度を推測して数値化しています。杭材に「小型ネットワーク式傾斜計」を取り付けることで杭先端の位置を計測し、インプラント NAVI の計測データと照合することで、より高精度な施工が可能となります。