技研製作所の取り組むDX

トップメッセージ

当社は「公害対処企業」として創業以来、振動や騒音による建設公害、年々激甚化する自然災害など、時代の変化に伴い生じる社会課題に対し、事業を通じてソリューションを提供し続けています。災害などから国民の生命と財産を守る建設工事は、誰もが納得できる工法によって、合理的に行われなければなりません。
そこで、当社が国民の視点に立って定めた工法選定基準が「建設の五大原則」です。
これまで、環境性、安全性、急速性、経済性、文化性の5つの要件を高次元で満たす圧入技術「インプラント工法」を核に、建設課題の解決や国土防災に貢献してきました。

圧入原理に基づき、合理的かつ新規性に富む製品や工法を創造し、新しい社会を構築していく「工法革命」は、私たちの使命です。
五大原則を高度に満たした「物」「方法」の創造を加速化し、安心安全でサステナブルな社会の実現に貢献するために――。私たちは今、「デジタル革命」のフェーズに進もうとしています。

気候変動により増大する自然災害リスクや、人口減少に伴う労働者不足など、年々深刻化する社会課題。絶え間なく変化する環境に対応すべく、世界中でデジタル技術の開発と社会実装が進められています。

当社は圧入技術を基軸とし、構造物の企画から設計、機械、部材の開発、施工、完成後の維持管理までを「パッケージ」で提案し、世界の建設課題解決を牽引してきた「グローバルエンジニアリング企業」です。

今後デジタル技術の本格活用によって、圧入技術の優位性を最大限に引き出し、新たな価値を生み出すことで、社会課題の解決スピードの向上や活躍フィールドの拡大を目指します。

当社はその実現にむけ、事業横断型のDX推進社内体制のもと、以下3つのデジタル戦略に取り組んでいきます。

①「物」「方法」の高度化・価値向上
②「物」「方法」の提供プロセス加速化
③ デジタル基盤の構築

これらのデジタル戦略によって、企業の持続的成長、ステークホルダーの皆様における利益の最大化を叶える組織となり、事業を通じて社会課題の解決、サステナブルな社会の実現に貢献することで、企業としての社会的責任を果たしてまいります。


株式会社 技研製作所  代表取締役社長CEO
大平 厚


デジタル技術の発展による環境変化と影響

気候変動による自然災害の激甚化や平均気温の上昇、人口減少や働き方改革による建設産業の構造変化など、当社を取り巻く環境は大きく変化しています。また、デジタル技術の発展により、モノ同士がネットワークでつながり、データを相互に連携させた新たなビジネスが構築され、既存の枠にとらわれない新たなイノベーションが世界中で起きています。

当社では、時代や社会の変化に対応し、デジタル技術を活用したビジネス変革によって、組織・事業の成長と、社内外のステークホルダーに対する新しい価値を創造していきます。

建設産業の構造変化
機会リスク
自動化・省人化を実現する機械・工法へのニーズ増大人口減少やインフラ老朽化、デジタル技術の加速等様々な構造変化への対応遅れ
インフラリメイクの需要増大資材価格の高騰、調達の不安定化、技能労働者減少
インプラント工法の多様展開
イノベーション
機会リスク
DXを用いた商品提供機会の増加新事業領域でイノベーションを創出できる人材の不足
建設産業の社会/環境課題解決ニーズの高まり
イノベーションを創出し続ける仕組み、管理の未整備
開発投資に対する適切なリスクマネジメントの不全
気候変動
機会リスク
低炭素排出に寄与する製品およびサービスの開発・拡大
環境負荷低減技術に対する導入コストの増大
防災/減災の観点からのインフラ整備要請の持続カーボンプライシングの導入によるコスト増大
異常気象激甚化によるサプライチェーン断絶リスク
ダイバーシティ&インクルージョン
機会リスク
環境問題や新たな社会課題、DXへの対応、新事業領域等多様な挑戦機会の増加
デジタル対応等適応すべきスキルへのリスキリング遅れ
ミレニアル世代/Z世代の活躍促進

デジタルビジョン

当社では、目指す社会の実現に向けてデジタルビジョンを掲げています。

技研製作所 デジタルビジョン

デジタル革命を通じて五大原則を高度に満たした「物」「方法」の創造を加速化し、安心安全でサステナブルな社会の実現に貢献する

※ 五大原則・・・環境性、安全性、急速性、経済性、文化性

①五大原則を高度に満たした「物」「方法」の創造を加速化するとは
・圧入原理の優位性を可視化・実証し、インプラント工法のグローバルな浸透を加速化する
・環境性、安全性、急速性、経済性、文化性の全てを最大化させたインプラント構造物をより多くスピーディーに世の中に提供する

②安心安全でサステナブルな社会とは
・自然災害を中心とした社会課題の解決による安心安全な社会の実現
・社会の変化に柔軟に対応する機能の見直し、部材の再利用を前提とした機能構造物を提供

ロードマップ

中期経営計画やビジョンと連動させた、デジタルビジョン実現のための中長期的なロードマップを策定しています。

デジタル戦略

3つのデジタル戦略
①「物」「方法」の高度化・価値向上
②「物」「方法」の提供プロセス加速化
③デジタル基盤の構築
によって、五大原則を極限まで高めた当社のソリューションを世の中に提供し、サステナブルな社会の実現に貢献します。

推進体制

経営層、経営戦略部、各事業、支援部門と連携を強化し、事業横断でDX推進を目指します。また、先端テクノロジーを用いた技術開発を推進するため、積極的に外部組織との協業を進めていきます。

人材育成計画

当社では「高収益企業体制の実現」と「開発型企業への特化」の2軸を目標にDX人材の育成に取り組みます。
また、人材育成方針においては、時代や社会の変化に適応しニーズを取り入れていきます。

補足:デジタル技術とは
AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット化)、BI(ビジネスインテリジェンス)、ロボティクス(RPA等)、クラウド・コンピューティング等の先端技術を指す。DXでは、デジタル技術を活用し、業務変革や新たなビジネスモデル創出を実現する。

IT環境の整備

デジタル戦略において、業務の効率化・生産性向上だけでなく、デジタル活用による新規ビジネスの創出まで含めた戦略を策定しています。施工現場や周辺機器を含めた機械から取得したデータを集約し、これらを利活用可能なビジネス展開も見据えたIT環境の整備に取り組んでいます。

ユーザーへ新たな価値を提供するデータのプラットフォーム化を目指す

推進指標

DXの達成目標のひとつは、デジタルビジョンで掲げている通り、当社の提唱する五大原則を最大化させることです。デジタル戦略のアクションプランは全て五大原則評価の向上に寄与し、独自評価表によって可視化した基準に沿って達成状況を把握します。

また、一部定量指標を設定し、両側面からデジタル戦略の推進を行っていきます。

五大原則の最大化によって安心安全でサステナブルな社会の実現に貢献

経済産業省「DX認定事業者」に認定されました。