社会課題の解決。これが技研グループの原点です。
1967年、「公害対処企業」を掲げる土木工事会社として創業し、1975年には世界で初めて「圧入原理」を実用化した無振動・無騒音の杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」を発明。建設公害を一掃するとともに、これまでに無かった「圧入業界」を生み出しました。以来、「圧入」の原理的優位性を基軸に、省スペース施工、仮設レス施工による工期・工費の縮減やCO2の削減、地震や津波、洪水に耐える粘り強い「インプラント構造物」の構築など、様々な建設課題の解決と安心安全なまちづくりに貢献するオンリーワンの企業として成長してまいりました。圧入技術の採用実績は、いまや40以上の国と地域に広がっており、「圧入業界」は今後さらに拡大すると確信しています。
技研グループの強みは、単に機械を売るだけでなく、建設課題に対するソリューションをトータルで提供できることです。種々の課題を抱える発注者に対し、構造物の企画設計から機械・部材の開発、施工、完成後の維持管理までを提案し、案件を創出します。その実施過程では、ユーザーへの機械販売から技術指導、保守サポートまでを「GTOSSⓇ(GIKENトータルサポートシステム)」として提供し、プロジェクトの成功を後押しします。この全体最適のプロセスを積み重ねることで「圧入業界」を拡大してきました。
国内で成功したこのモデルを、現在、海外でも進めています。2020年には、オランダの世界遺産「アムステルダムの環状運河地域」の護岸改修工事への採用が決定。世界遺産の美しい街並みと周辺住民の生活を維持しながらの改修が求められ、世界が注目する中、プロポーザルで応募16グループ中圧倒的最高評価を受け、市と連携協定を結びました。2023年7月には、新開発した電動の圧入システムによるパイロット施工が完了。発注者や地元住民の方々から「静かで早い」などと満足の声が上がりました。この実績は既に周辺の他プロジェクトにも波及しています。
私は20年近くもの間、海外を飛び回っていましたが、圧入技術に匹敵する優位性、高付加価値を有する建設技術はどこにもありませんでした。世界には、厳しい制約条件のため手が付けられず、人々の暮らしに不安が残る地域がたくさんあります。技研グループは今後も開発型企業として、圧入技術を核にこれまでにない新しい機械や工法を生み出していきます。
機械の電動化などによるGX、老朽化が進む既存インフラの迅速なリメイク、防災構造物や地下シェルターなど激甚化する災害や有事に備えるインフラの整備、そして、労働力人口減少に対する施工のDX――。「公害対処」から始まり、時代の変化に伴い生じる様々な社会課題を解決し、持続可能な社会を実現させる「工法革命」は、当社グループの原点であり使命であります。
技研グループは進化の歩みを止めることはありません。国内市場のみならず海外市場へ積極展開を行っていくことでグローバルに大きく飛躍します。引き続きグループ一丸となって、経営方針である「インプラント工法で世界の建設を変える」を実現するべく、全力で取り組んでまいります。
株式会社 技研製作所 代表取締役社長 CEO
大平 厚