GIKEN圧入技術マガジンvol.10

“高精度・省スペース施工”で地下空間を有効活用
機械式駐車場「エコパーク^Ⓡ」/駐輪場「エコサイクル^Ⓡ」
～超小型EV専用「EV エコパーク」は脱炭素にも貢献～

今回のテーマは、地下開発事業についてです。

当社は創業以来、地盤に振動・騒音なく、高い精度で杭を圧入する技術とノウハウを持っており、多くの実績を重ねてきました。その技術を応用し、地下空間の有効活用を目指して誕生したのが、機械式駐車場「エコパーク」、機械式駐輪場「エコサイクル」です。

まずはこちらの動画をご覧ください。

開発当時、今以上に迷惑駐車や違法駐輪が社会問題化しており、緊急車両や歩行者の通行の妨げになったほか、景観上も好ましくない状況でした。そうした課題を解決する狙いから、「地上に文化を、地下に機能を」をコンセプトに地下空間を活用した駐車場・駐輪場事業に着手しました。自動車や自転車を地下に集約し、地下に機能を持たせることで、地上部は文化的で魅力ある空間として活用することができます。

エコサイクル、エコパークの構築では、杭圧入引抜機「サイレントパイラー^Ⓡ」で杭材を円筒型に圧入した後、内部の土を掘削して地下空間を確保します。この杭施工には極めて高い精度が求められますが、サイレントパイラーならば難なく施工できます。また施工空間の確保が難しい都市部でも「省スペース施工」で構築できます。なおエコサイクル、エコパークは将来的な解体、撤去を視野に入れた「機能構造物®^※」であり、杭材は施工時と反対の工程をたどることで引き抜くことができます。

※機能構造物についてはGIKEN圧入技術マガジンvol.08をご覧ください。

地上にはコンパクトな入出庫ブースのみを設置し、地下空間に１基あたり50 台以上の自動車を収容することができます。

50台の自動車を一般的な平置きで駐車すると1,000平米以上の敷地が必要になりますが、エコパークの入出庫ブースは1/30程度しか土地を占有しません。そのため、用地確保が難しい場所であっても大規模な駐車場を設置でき、敷地を有効活用することができます。

駐車スペースを地下に収容し、地上にゆとりある空間を創出することで、都市開発をより文化的に彩っていきます。

▽エコパークの特長

・内部空間に50台以上収容
・地上にはコンパクトな入出庫ブースのみ
・平均32秒の高速入出庫
・圧入工法による短工期施工
・安全性、セキュリティーとも万全
・多くの車種が収容可能（ハイルーフ、外車）

エコサイクルは、地上にはコンパクトな⼊出庫ブースのみを設置し、地下空間に１基あたり200 台以上の⾃転⾞を収容することができます。

高い処理能力（最短出庫時間8秒）を持つほか、近年増加しているチャイルドシート装着車も収容でき、大人から子供まで、ありとあらゆる方にとって快適な駐輪場が実現します。現在、都市部を中心に全国23箇所で57基が稼働しています。

▽エコサイクルの特長

・ 内部空間に200台以上の自転車を収容
・ 入出庫ブースは自動車1台分でコンパクト
・ ラッシュ時でも渋滞とは無縁の処理能力（平均出庫時間13秒）
・ 場所に応じ、地下式・地上式が設置可能
・ 最短約3ヶ月の短工期施工
・多くの車種を収容可能

エコパーク、エコサイクルとも簡単操作で入出庫できます。利用方法はこちらからご覧いただけます

当社は超小型EV専用の機械式駐車場 EV エコパークを開発し、4月に発表しました。省スペースかつ大容量、スピーディーな入出庫など通常の「エコパーク」が提供する機能に、駐車中に充電できるという付加価値を加えた点が最大の特長です。超小型EV普及の課題となっている駐車スペースと充電施設の不足を一挙に解決し、カーボンニュートラルに貢献します。

※軽自動車よりもコンパクトな1～2人乗り程度のEV(電気自動車)です。小回りが利き、広い駐車スペースを必要としません。走行時にCO₂を排出せず、一般的なEVよりも電費が良い特長があります。

社会や街の課題を解決するスマートシティやスーパーシティ、SDGsへの取り組みが注目される中、脱炭素化や持続的、機能的な都市開発に資するEV エコパークは、未来をつなぐ最先端のまちづくりに貢献するアイテムとしてさまざまな活用が期待できます。建屋の外部サインや窓の数などをアレンジし「魅せる駐車場」として地上を文化的に彩ることもできます。

▽EV エコパークの特長

・収容台数は40台
・平均19.7秒の高速出庫
・充電設備の標準仕様は200V。100Vへの仕様変更も可能
・安全性、セキュリティーとも万全

その他、EV エコパークの利用方法はこちらからご覧いただけます。