GIKEN圧入技術マガジンvol.25

2026.7.30 メールマガジン

 <事例紹介> 

省スペースにて桟橋改修を実現

小豆島・大部港における圧入工法による飛び杭施工の適用事例


今回のメルマガでは、香川県小豆島・大部港における桟橋改修工事の事例を紹介します。離島の交通・物流・観光を安全に維持するために、老朽化した既設桟橋を更新するにあたり、新設の桟橋杭を施工する必要がありました。また、周辺施設を使用しながら施工するという厳しい条件下で、安全性と施工性の両立が求められる現場でした。そこで圧入工法による飛び杭施工が可能な「スキップロック工法™」が採用され、鋼管杭を回転切削圧入することで新設の桟橋杭を施工しました。

求められた施工条件

大部港では、以下の条件を同時に満たす施工方法が求められました。

・海中に敷設された被覆石を撤去せずに、被覆石の上から杭を打設すること
・背面の工場はじめ周辺施設への影響を最小限に抑える、環境に配慮した施工をすること
・港内の他施設を利用しながら省スペース施工

本現場におけるジャイロプレス工法™の適用

ジャイロプレス工法は、機械が杭の上を自走しながら、先端に切削爪を付けた鋼管杭を回転切削圧入して地中に貫入させる工法で、硬質地盤や地中障害物を含む地盤に対しても鋼管杭を圧入することができます。また、既設杭を把持して自立し、油圧による静荷重で杭を地中に貫入させる工法のため、打撃を伴わず、振動や騒音を大幅に抑えた施工が可能です。

本現場では、海中に被覆石が敷設された状態でしたが、ジャイロプレス工法を用いることで、被覆石を撤去することなく鋼管杭を回転切削圧入することができました。

これにより、周辺構造物や背面の工場への影響を最小限に抑えながら施工を進めることが可能となりました。

※香川県からの提供データをもとに株式会社技研製作所が作成

本現場におけるスキップロック工法の適用

本現場では桟橋の改修に伴い、杭間3.0mという所定の間隔を空けて、新設杭を82本打設する「飛び杭施工」が求められました。

下図のように、従来の圧入工法では、杭と杭の間に仮の短尺反力杭が必要でしたが、スキップロック工法では、圧入原理の優位性を維持したまま、杭径の2~3倍程度の杭間ピッチでの飛び杭施工が可能となりました。

ジャイロパイラー™ (F401)スキップロック仕様 施工手順

港の利用を止めず、地域の活動に影響を与えない施工

圧入機は杭の上で作業を行うため、広い作業ヤードを必要としません。

その結果、下記写真のとおり、普段通りに船舶が出入りする環境下でも、省スペースで安全な施工を継続することができました。

スキップロック工法の省スペース性と現場適応力が、狭隘な環境においても有効に発揮された事例といえます。

本現場における圧入工事例

施工業者三宅建設株式会社、株式会社技研施工
使用機材ジャイロパイラー™ (F401)スキップロック仕様
杭材型式・寸法鋼管杭:杭径800mm 板厚9mm 杭長21.0m 施工本数7本
圧入工工期2022年2月~2022年3月

おわりに

港湾施設の改修工事では、港の機能を維持しながらの施工や、周辺環境への配慮が強く求められます。

今回の工事では、
・被覆石を撤去せずに杭施工ができるため、短工期施工を実現
・振動や騒音が少なく、周辺環境に配慮した施工が可能
・杭間隔3.0mの飛び杭施工に対応できる
・杭上で作業可能なため、省スペースで安全な施工が可能

という点が評価され、圧入工法による飛び杭施工が可能な「スキップロック工法」が採用されました。

今回紹介した港のように、地域を支えるインフラの更新需要は、今後ますます高まっていくことが見込まれます。

そうした場面において圧入工法は、地域の経済活動を停滞させることなく、インフラの更新および機能強化に貢献することができます。

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