株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:大平厚)の鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法™」が、シンガポールの研究施設の建設事業に採用され、現地企業の「Guan Chuan Engineering Construction Pte Ltd(以下、Guan Chuan社)」が工事を完了しました。Guan Chuan社は当社の「GTOSS™ ASIA」※の会員企業であり、今回、当社グループ企業の株式会社技研施工(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:西川昭寛)がコンサルティング支援を行い、高効率かつ高精度な圧入施工を実現。なお、同国における「ジャイロプレス工法™」の採用は今回が初めてとなります。
シンガポールは国土が狭隘で、人口や施設が密集する地域が多く、厳しい制約条件下での施工が増加しています。また近年、硬質地盤での工事案件が増加していることから「ジャイロプレス工法™」の需要が高まっており、他にも複数の案件が控えています。無振動・無騒音や省スペースでの施工、施工スピードの速さ、地盤条件の克服といった優位性をいかんなく発揮できた今回の施工実績を追い風に、現地の「GTOSS™」会員企業と連携しながら技術提案活動を活発化させ、アジア圏における更なる案件形成、プレゼンス向上を目指します。
※ 当社が展開する圧入機ユーザーへの総合支援サービス。過去のニュースリリースもご覧ください。
( https://www.giken.com/ja/news/release/gkn24nw020ja/ )

■工事内容
「ジャイロパイラー™ GRV1230」により、長さ12m、直径1200㎜の鋼管杭を43本圧入。延長約54mにわたって、土留め壁※を構築しました。
※ 地盤を掘削する際に、周囲から土砂が崩れてくるのを防ぐために設ける壁のこと。

■ジャイロプレス工法™
先端に「リングビット」と呼ばれる切削爪を付けた鋼管杭を回転圧入することで、既存構造物や硬質地盤を貫通し、粘り強いインプラント構造物を構築する工法です。既存構造物を打ち抜けることから残置物の撤去が不要なうえ、掘削機による事前掘削が要らず、工期・工費を縮減できます。また、「ジャイロパイラー™」は軽量・コンパクトな機体が既設杭をしっかりとつかんでいるため原理上転倒の危険性がなく、振動や騒音を抑えながら施工できることから周辺環境に悪影響を及ぼす心配もありません。

■採用理由
当初設計されていた他工法は、硬質地盤に対し振動式の大型杭打ち機で施工する必要があり、現場の近くに位置する施設へ悪影響を及ぼす施工時の振動・騒音が課題となっていました。「ジャイロプレス工法™」は、硬質地盤でも無振動・無騒音、省スペースで施工できます。1本あたり約2時間という短時間での施工を可能にしたことも含め、周辺環境への悪影響を最小限に抑えられる点が高く評価されました。また、杭間の狭さや軌道の難しさが懸念点として挙がっていましたが、当社の杭精度管理システム「インプラント NAVI™」※を投入することで杭の挙動をリアルタイムで把握し、計画通りに正確な圧入施工を実現しました。
※ 参考:当社ウェブサイト( https://www.giken.com/ja/products/ict/implantnavi/ )
■工事概要
工事場所 | Science Park, Singapore |
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発注者 | 非営利団体(研究の機密性のため名称は非公開) |
元請業者 | Shimizu – Dai-Dan Joint Venture |
施工業者 | Guan Chuan Engineering Construction Pte Ltd |
使用機材 | ジャイロパイラー™ GRV1230 |
杭材型式・寸法 | 鋼管杭43本(直径1200㎜、長さ12m) |
圧入工工期 | 2025年1月15日~2月6日 |
■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」を製造販売し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所 広報担当:林
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8:00~17:00)
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GKN25NW012JA