国交省および文科省「宇宙建設革新プロジェクト」技術研究開発(R&D)契約の継続が決定

圧入による建設プロセスの合理化。未知な月の地盤にこそ優位性を発揮

2024.5.27 ニュースリリース

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:大平厚)は、政府「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」(スターダストプログラム)の一環「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」(国土交通省および文部科学省連携。略称、「宇宙建設革新プロジェクト」)において、「技術研究開発R&Dステージ、2024年度も継続採択されました本フェーズは毎年度継続の妥当性に係る審査が行われており、当社は2022年度から2年連続でクリアし、3年度目となります最長2025年度までの契約期間で、構想の具体化に向け技術の開発や実証など取り組みを加速させていきます。

当社が製造販売する油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」や回転切削圧入機「ジャイロパイラー」は、地盤に打ち込んだ杭をつかみ、その引き抜かれまいとする抵抗力(反力)を利用して次の杭を打つことができます機械重量で機体を安定させる必要がなく、原理上、無重力空間でも施工可能。また、硬質地盤を含む多様な地盤条件に対応できます。さらに、圧入施工時に得られるデータから地盤情報を推定し施工を自動的に最適化する技術や、施工完了後の杭の支持力を測定する簡易載荷試験を圧入機で行える技術も有しいます。これらにより、地盤に関する事前情報が非常に少ない月面での建設において合理的な建設プロセスを提供できると考えられます 

2024年度はこの建設プロセスに関して、月面模擬砂や月面想定地盤での実証をこれまでに得られた知見を踏まえ深化させつつ、ケーススタディーによる検証にも着手します 

参考:国土交通省ウェブサイトhttps://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001089.html 

2023 年度に行った月面想定地盤での実大実験の様子

■技術研究開発(R&D)フェーズでの取り組み

本フェーズでのテーマは、「回転切削圧入の施工データを利用した、月面建設の合理的な設計施工プロセスの提案と評価」です。

一般に、地上での建設プロジェクトは「地盤調査」「設計」「施工」の順に進める必要があります。当社の「PPT システム」※を用いれば、調査情報が限られていても、施工データから推測した地盤情報を利用して情報を補完したり、設計の妥当性を検討したりすることが可能。また、施工が完了した杭の支持力を測定するための載荷試験を、圧入機を用いて簡易的に行うこともできます。月面のように調査情報が非常に少ない場合、一旦ラフに設計した後、調査を兼ねた施工をしながら詳細設計を行うというプロセスにすることで、効率的に構造物の性能を確保できると考えられます。物資の輸送量や工程の実施数が制限される宇宙空間において、資機材の削減、工期の短縮にも貢献できます。

本フェーズを通して、当社技術を活用した建設プロセス(下図)の実施可能性や妥当性の検証に取り組んでいきます。

※ 圧入施工中に取得できる各種データに基づいて地盤情報の推定や自動運転を行うシステム

■今後について

2023年度までに、回転切削圧入をはじめ当社技術に関して、月面での妥当性を検証しました。水がほとんど存在しない月面想定地盤(密な砂地盤)での実大実験や、月面模擬砂(FJS-1g)での模型実験を実施し、回転切削圧入などが適用可能であることを確認。その他、次年度以降のケーススタディーに備えて、当社技術によって建設する構造物の絞り込みや構造形式の検討などを行いました。

2024 年度は、絞り込んだ構造物を対象に試設計を行い、施工データを設計へ反映させるまでの具体的なフローを検討するなど、これまでに得た知見を活かしてさらなる検証を進めてまいります。

月面模擬砂の入った土層

模型実験の装置


■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を製造開発し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8:00~17:00) 広報担当:林
東京本社/東京都江東区有明3丁目7番18号 有明セントラルタワー16階
TEL:080-3712-7614 IR担当:吉野

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