オランダの世界遺産運河の護岸改修PJ 実証施工契約を締結

9月着工、圧入施工は11月からスタート

2022.9.14 ニュースリリース

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:森部慎之助)のグループ企業・Giken Europe B.V.(本社:オランダ、社長:大平厚/以下、技研ヨーロッパ)を中心とした合弁会社「G-Kracht B.V.(ジークラフト ビー・ブィ)」が、オランダの世界遺産「アムステルダムの環状運河地域」の護岸改修のための新技術開発プロジェクトにおいて、発注者であるアムステルダム市と実証施工(パイロット施工)契約を結びました。工事は9月着工、圧入施工は11月からスタートする予定です。

実証施工が成功すると、8年間にわたり圧入工事(計3.3km以上)を独占受注できる「商業化フェーズ」に移行します。さらに次のステップとして、200kmの改修区間において、圧入技術を標準工法とした工事が見込まれており、オランダでの工法普及が一気に進むとみています。

世界が注目する首都プロジェクトである本件は、欧州各国のインフラ老朽化問題に対する画期的なソリューションとして圧入技術が評価される契機となっており、他案件でも工法採用されるなど波及効果を生んでいます。また現地向けに開発した電動の圧入システムは、施工時のCO2排出ゼロを可能とする新型機であり、気候変動対策において世界をけん引しているEUでは、カーボンニュートラルの観点から性能への期待が高まっています。実証施工を成功に導くことで、工法普及や機械販売を一層加速させ、「2031年8月期の売上高1000億円」「海外売上比率7割」への歩みをより確かなものとして参ります。

※ 過去のニュースリリース(GKN20NW006JA)もご覧ください。

実証施工の合成イメージ図

■実証施工概要

新開発した電動の鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー GRV0611e」と「GRBシステム」により、208mの区間に鋼管杭273本を圧入します。既存護岸を撤去せず貫通して施工できる鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法」、すべての機械装置が既設杭上で稼働することで作業用仮設工事を必要としない「仮設レス施工」、周辺住民や構造物に影響を与えない「無振動・無騒音施工」により、世界遺産の景観を守りつつ建設課題を解決する、全く新しい技術・工法の優位性を証明します。

電動「ジャイロパイラー GRV0611e」と「GRBシステム」

※ 過去のニュースリリース(GKN21NW019JA)もご覧ください。

ⒸOpenStreetMap contributors
【出典】https://www.openstreetmap.org, https://opendatacommons.org

実証施工区間の現場

施工断面図

■プロジェクトスケジュール

■協定、実証施工概要

協定名Samenwerkingsovereenkomst voor de Onderzoek- en Ontwikkelfase van het Innovatiepartnerschap Kademuren (AI 2018-0423)
協定者オランダ・アムステルダム市とG-Kracht B.V.
< G-Kracht B.V.構成社>
・技研ヨーロッパ
・Gebr. De Koning B.V.(デ・コーニング社)
・Van Gelder B.V.(ヴァン・ゲルダー社)
業務名AI 2018-0423 Innovatiepartnerschap Kademuren Gemeente Amsterdam
工事場所Singel 284, 1015BB Amsterdam
発注者アムステルダム市
元請業者G-Kracht B.V.
施工者G-Kracht B.V.
使用機材ジャイロパイラー GRV0611e、クランプクレーン
杭材型式・寸法鋼管杭(直径508 mm、長さ13.5 m~22.0 m)273本 (予定)
実証施工期間2022年9月~2023年7月予定

■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を製造開発し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8:00~17:00) 広報担当:林
東京本社/東京都江東区有明3丁目7番18号 有明セントラルタワー16階
TEL:080-3712-7614 広報担当:吉野

印刷用PDFはこちら
GKN22NW018JA