2018 年度「ベン・C・ガーウィック賞」の授賞式が、米国フロリダ州オーランドで開催されました。

2018.3.13 ニュースリリース

株式会社技研製作所 代表取締役社長 北村精男は2018年度「ベン・C・ガーウィック賞(DFI/Deep Foundations Institute主催)」を日本人で初めて受賞し、38日(木)に米国フロリダ州オーランドで開催中の地下開発技術の国際会議「IFCEE (International Foundations Congress and Equipment Expo)」の会場で授賞式が開催されました。

「ベン・C・ガーウィック賞」は、水中基礎・地中大深度基礎等の分野で世界的に活躍した、故Ben C. Gerwick氏の偉業を讃えて2008年に設立され、特に海洋基礎産業への革新的な活動に対してDFI海洋基礎委員会が授与する、国際的にも権威の高い賞です。

北村は1975年に世界で初めて「圧入原理」を実用化した無公害杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を発明し、創業51年を迎えた本年も、サイレントパイラーを用いる「インプラント工法」の普及を世界中で精力的に進めています。その独自のエンジニアリング技術は、海洋基礎構造物の領域を超え、様々なインフラ整備において各国で多大な貢献を果たしていることから、その功績が認められ、この度日本人初の受賞に至りました。

授賞式では、北村の生い立ちからサイレントパイラーの発明に至った経緯とこれまでの実績紹介のビデオの上映につづき、北村の受賞スピーチが行われました。その後、IPA国際圧入学会会長の日下部治氏による圧入工法のプレゼンテーションが行われました。

IFCEEの会議参加者は約1000名で、授賞式の会場であるCitron North & Centerには各国の元請業者、エンジニア、製造メーカー、サプライヤー、学者などが出席し、圧入工法の革新性と多様な実績に賛辞が寄せられるとともに、北村の受賞が盛大に祝福されました。

DFIIFCEEの詳細は関連のニュースリリース(GKN18NW002JA)をご覧ください。

■北村の受賞コメント

この度は、この様な栄えある賞をいただき大変光栄です。

「圧入一筋」半世紀、これしかやってこなかった私ですが、今回「ベン・C・ガーウィック賞」の受賞通知を受けた際は、ただただ驚きました。日本国民の多くも私や「圧入工法」、「圧入機サイレントパイラー」のことを知らない中、なぜ、アメリカのニュージャージーで40年前に設立された由緒ある国際協会が我々のことを知ってくださったのか。また、私のほうもこの賞の冠である「ベン・C・ガーウィック」教授のことをこれまで存じませんでした。周囲から祝福の言葉をいただくにつれ、この方が水中コンクリートの権威者であること、教え子の皆さんが世界中で活躍なさっていること、我が高知県と海を隔てた本州を結ぶ本州四国連絡橋「瀬戸大橋」の橋脚施工のアドバイザーとして1972年に来日され、東京大学で教壇に立たれたこともあるということを知り、そのご縁、めぐりあわせに感謝し、心から嬉しさがこみあげてまいりました。

さて、世の中は今、IoT、AIVRRoboticsなどの目覚ましい技術革新により、様々な分野で大きな変革が進んでいます。しかし我々が属する建設業界だけがいまだ保守的で、まるで原始時代をゆっくりと歩んでいるように思えてなりません。

「地下は見えない、だからわからない」。見えないからこそ地下の杭施工には明確な基準や最適な工法が必要です。そのため圧入原理の優位性を科学で証明し、効果を数値化し、誰の目にも見える形、可視化された情報として全世界の人々に公開すべきだという強い想いから、2007年には国際圧入学会「IPA」を創設しました。
この学会活動の中で、私は「建設の五大原則」という国民の視点に立った建設工事のあるべき姿を、工事の選定および品質の基準として制定し、広く訴えてまいりました。いかなる工事も環境性、安全性、急速性、経済性、文化性を調和のとれた正五角形で実現しなければならない。例えば「安くても工事が長期化してはならない」「早くても安全性が軽視されてはならない」など、5つの要件がバランスよく満たされなければ良い工法ではない、そしてそれらは透明性のある基準で選定すべきであると提唱し続けてきたのです。

この旧態依然とした進化の見えない建設業界を、革新的な技術と科学に則った基準で変革しなければなりません。それが我々の推進している「工法革命」です。

今回の受賞は私どもの活動の大きな糧になることと確信しております。

これを弾みに、今後も世界の建設を変える「工法革命」の実現に邁進してまいります。

2018年38

株式会社技研製作所
代表取締役社長 北村 精男

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総務部 総務課
TEL: 088-846-2933(平日8:00~17:00)
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