2005年8月に起こったハリケーンによる甚大な被害に対して抜本的な治水対策工事を行いました。ニューオリンズは、ミシシッピ川と大きな湖とに囲まれており、水害が起きやすい地域です。都市圏のほとんどが海抜0~ー6m地帯で、街全体が堤防や洪水対策壁に囲まれていますが、高潮により越流が起き、堤防や洪水対策壁は水圧に耐えきれず決壊してしまいました。工事では、現況運河両岸へ土留め矢板を圧入し、運河本体を改修。改修後は、一部区間を除き土留め矢板を引抜きました。
米ニューオリンズのソニア運河の護岸改修工事プロジェクトに採用


ニューオリンズの8割以上が浸水
採用理由
工事に伴い、ニューオリンズの郊外で圧入施工のデモンストレーションを実施。施工スピード、環境性、高い施工精度が評価されました。
施工結果比較
バイブロハンマ工法 | 圧入工法 | |
1日当たりの打込み枚数 | 10ペア | 20ペア |
1 日当たりの引抜枚数 | 8ペア | 22ペア |
環境性 | 振動により建造物へ影響、苦情の発生 | “無振動・無騒音”施工 |
施工精度 | 数ペアに1回インターロックを通さず施工。粘着性の高い土質により引抜抵抗力が強く、引抜き不可となった鋼矢板を残地する。 | 圧入施工要項に則り、鋼矢板を定められた完成法線上に施工。 |
事業概要
工事名:ソニア運河改修工事
工事場所:アメリカ合衆国ルイジアナ州ニューオリンズ市
使用機材:Zクラッシュパイラー SCZ-675WM 2台
杭材型式・寸法:Z形鋼矢板(PZ35<ペア有効幅1150mm>、長さ21.6m)776ペア
圧入工工期:2007年3月~2008年11月

