株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:大平厚)は、政府「宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」の一事業である「宇宙無人建設革新技術開発推進事業(国土交通省および文部科学省連携。略称、『宇宙建設革新プロジェクト』)」において、2026年度も「技術研究開発(R&D)」の継続が決まりました※。当社は2021年度の可能性検証(F/S)フェーズを経て、2022年度より技術研究開発(R&D)フェーズの継続審査をクリアしながら活動を進めてきました。成果の集大成となる2026年度は、残された課題の解決に加え、圧入施工時に得られるデータを活用した建設プロセスをケーススタディによって具体化します。
当社が製造販売する油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」や、回転切削圧入機「ジャイロパイラー™」は、地盤に打ち込んだ杭をつかみ、その引き抜かれまいとする抵抗力(反力)を利用して次の杭を打つことができるため、原理上、無重力空間でも施工可能です。また、硬質地盤を含む多様な地盤条件にも対応できます。さらに、圧入施工データから地盤情報を推定して施工を自動的に最適化する技術や、施工完了後の杭の支持力を測定する簡易載荷試験を圧入機で行える技術も有しています。これらにより、地盤に関する事前情報がないに等しい月面において、合理的な建設プロセスを提供できると考えられます。
宇宙開発を見据えた圧入施工データの活用に関する研究は、段階的な検証や技術開発を重ね、現在は構想具体化に向けた最終局面にあります。圧入施工データから推定される月面の地盤情報や、それを活用した建設プロセスに関する知見は、地上の建設技術の高度化につながるものであり、本活動の成果を月面と地上双方における次世代技術の創出にも活かしていきます。
※ 参考:国土交通省ウェブサイト( https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/sosei_constplan_tk_000045.html )

審査委員による実大実験の視察の様子(2026 年1 月)
技術研究開発(R&D)フェーズでの取り組み
本フェーズでのテーマは、「回転切削圧入の施工データを利用した、月面建設の合理的な設計施工プロセスの提案と評価」です。
一般に、地上での建設プロジェクトは「地盤調査」「設計」「施工」の順に進める必要があります。当社の「PPTシステム™」※を用いれば、調査情報が限られていても、施工データから推測した地盤情報を利用して情報を補完したり、設計の妥当性を検討したりすることが可能です。また、施工が完了した杭の支持力を測定するための載荷試験を、圧入機を用いて簡易的に行うこともできます。月面のように調査情報が非常に少ない場合、一旦ラフに設計した後、調査を兼ねた施工をしながら詳細設計を行うというプロセスにすることで、効率的に構造物の性能を確保できると考えられます。物資の輸送量や工程の実施数が制限される宇宙空間において、資機材の削減、工期の短縮にも貢献できます。
※ 圧入施工中に取得できる各種データに基づいて地盤情報の推定や自動運転を行うシステム

本フェーズを通して、当社技術を活用した建設プロセス(下図)の実施可能性や妥当性の検証に取り組んでいきます。

今後について
2025年度までに、水がほとんど存在しない月面想定地盤(密な砂地盤)での実大実験や、月の模擬砂(FJS-1g)での模型実験などを実施しました。これにより、回転切削圧入による杭の施工が可能であることや、杭の形状や地盤の深さといった条件が異なる場合でも、圧入施工データから地盤情報が適切に推定され得ることなどを確認。さらにケーススタディとして、月面建設の初期段階に有効となり得る構造物を具体的に設定し、地盤情報が少ない状況を前提としたラフな設計を試行しました。
2026年度は、引き続き密砂での実大野外実験や、月の模擬砂を用いた模型実験などを行い、地盤情報推定の精度向上など残された課題の解決を図ります。あわせてケーススタディの内容を深化させ、月面での合理的な建設プロセスの実現に向けて、圧入施工データの活用がどのように有効となり得るのかをより具体的に示していきます。

宇宙建設革新プロジェクト(イメージ)
提供:国土交通省
■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」を製造販売し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40 以上の国と地域に広がっています。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所 広報担当:清岡
高知本社/高知県高知市布師田3948 番地1
TEL:088-846-6783(平日8:00~17:00)
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