株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:大平厚)が製造販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」による「インプラント工法™」が、島根県出雲市の神戸川堤防周辺の地盤沈下対策に採用され、約7.5㎞にわたる圧入工事が大詰めを迎えています。
神戸川周辺では、新たに築いた堤防を軟弱な地盤が支えることができず沈下。近くの住宅や納屋に傾きや亀裂が生じたため、国が2021年度から抜本的な対策工事に乗り出しています。一帯は地中深くまで軟弱な地層が続いており、いわゆる「連れ込み沈下」を抑制するためには、最長45mという長尺のハット形鋼矢板を正確に設置する必要がありました。「インプラント工法™」の優位性を最大限発揮する形で、昨年度までに5.7㎞の施工を完了。最終年度となる2025年度は残る1.9㎞(16工区)の工事が順調に進められています。リアルタイムで貫入深度や傾斜データを把握できるシステム「インプラント NAVI™」との併用で高精度な施工を実現しており、高い評価を得ています。
当社グループでは、引き続き「インプラント工法™」を地盤沈下の防止、さらには地震時の液状化対策として技術提案を進め、防災企業として安心安全な地域社会の基盤づくりに取り組んでいきます。

■地盤沈下の発生から現在に至る経緯
神戸川流域では、1993年から洪水対策などを目的とした堤防整備が進められてきました。計画当初は堤防の重みに耐えられる支持力があると考えられていましたが、実際は軟弱な地盤が地下深くの広範囲に及んでおり、築堤盛土の重みで地盤が沈下。これに引っ張られる形で周辺地盤の「連れ込み沈下」が発生し、近隣住宅にも影響が出ています。
このため、ハット形鋼矢板を列状に設置することで地中に「仕切り」を作り、さらなる連れ込み沈下の発生を抑止する対策工事が進められてきました。


図は、国土交通省出雲河川事務所からの提供データをもとに株式会社技研製作所作成
■当社技術を生かした今後の展開
国内には本工事の現場となった河川周辺以外にも、湖沼などを陸地化した干拓地、東京都や大阪府の湾岸エリアに代表される埋立地など、地震発生時に液状化や地盤沈下が起こる危険をはらむ土地が少なくありません。今後も当社グループは、こうした防災上の潜在的なリスクに対して、状況に応じた最適なソリューションを提案し続けることで、安全で安心な社会の実現に取り組んでいきます。
■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」を製造販売し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所 広報担当:安河内
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8:00~17:00)
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