硬質地盤クリア工法(フライホイール式パイルオーガ)が 国交省 NETIS「推奨技術」に選定

「震災復旧・復興支援技術」にも登録。さらなる普及に追い風

2025.5.30 ニュースリリース

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:大平厚)が開発した「硬質地盤クリア工法(フライホイール式パイルオーガ)」(登録番号 KT-220224-VE)が、公共工事等の技術水準を高める画期的、かつ今後さらなる発展が期待できる新技術として国土交通省の NETIS(新技術情報提供システム)の「令和 7 年度 推奨技術」に選定されました。同時に「震災復旧・復興支援技術」としても登録され、国土交通省ホームページで公表、情報提供されています。

従来型のパイルオーガによる硬質地盤クリア工法でも地盤の回転掘削と同時に鋼矢板の圧入を行うことが可能でしたが、油圧モーターの動力を伝える回転軸に重りを組み込むフライホイール機構を採用したことでトルクが増強され、これまで不可能だった岩盤層など換算 N 値(地盤の硬さ)600 以上の超硬質地盤に対して安定的かつスピーディーな施工を実現。従来に比べ施工能率が 5 倍程度向上しました。これにより、山間部の硬質地盤における土留め壁や擁壁の構築、玉石が多く含まれる地盤での河川締切りや護岸改修等、国内外において適用範囲が確実に広がっています。

杭施工のための先行掘削や砂置換を必要としない分、工期短縮、工費縮減につながるのはもちろん、NETIS「推奨技術」は、通常の NETIS 登録技術よりも工事成績評定や総合評価方式における加点数がアップすることになります。

本技術は能登半島地震の復旧工事等にも採用されており、「震災復旧・復興支援技術」としても登録されたことで、今後迅速な復旧・復興に向け、災害現場でもさらなる活用が見込まれます。

能登半島地震の復旧工事での採用事例

■NETIS(新技術情報提供システム)「推奨技術」

各地方整備局の技術事務所による審査を経て NETIS に登録された技術のうち、実際に直轄工事等で活用され、新技術活用評価会議で効果が審査されたものは「事後評価実施済み技術」とされます。その中で、公共工事等に関する技術水準を一層高めると期待される画期的な新技術が、「推奨技術」に選定されます。国土交通省のデータベース上で一般公開され、法人、個人を問わず誰でも自由に閲覧できるほか、自治体等が行う公共事業全般に積極的に採用されています。

■硬質地盤クリア工法

回転掘削するオーガと鋼矢板が一体となり、砂礫層等の硬質な地盤でも圧入の優位性を損なうことなく貫入できる工法技術。オーガの掘削範囲は狭小であり、排土量も少なく、周辺環境への影響を最小限に抑えています。圧入機本体は鋼矢板をつかんで自立しているため安全性が高く、傾斜地など不安定な地盤でも施工することが可能です。

■フライホイール式パイルオーガ

油圧モーターの動力を伝える回転軸に重りを組み込むフライホイール機構を採用し、掘削効率を向上させた新型パイルオーガです。重りによる回転の慣性モーメントを利用してトルクを増強することで、硬くて掘削しづらい地盤に遭遇した際もオーガ回転速度の急落を防ぎます。また、従来型パイルオーガからケーシング、スクリュー軸の強度を上げ、エネルギーの伝達効率をアップ。切削爪の耐摩耗性もアップさせています。

■「フライホイール式パイルオーガ」対応機種 (2025 年 5 月現在)

サイレントパイラー™ F111(FW 仕様)U 形鋼矢板(400 ㎜幅)
サイレントパイラー™ F112U 形鋼矢板(400 ㎜幅)
サイレントパイラー™ F201/F201A(FW 仕様)U 形鋼矢板(400、500、600 ㎜幅)
サイレントパイラー™ F301(FW 仕様)ハット形鋼矢板(900 ㎜幅)
サイレントパイラー™ F302ハット形鋼矢板(900 ㎜幅)

■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」を製造販売し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所 広報担当:林
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8:00~17:00)

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GKN25NW011JA