台湾・新型パイルオーガを用いた硬質地盤クリア工法のデモンストレーションを実施

台湾の建設課題を解決する工法に、建設関係者100名超が熱視線

2024.7.10 ニュースリリース

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:大平厚)が開発した新型パイルオーガ「フライホイール式パイルオーガ」を用いた「硬質地盤クリア工法」のデモンストレーションを、台湾で行いました。当社がレンタル業務提携を結んでいる、建設機械レンタル最大手の株式会社アクティオ(本社:東京都中央区、代表取締役会長兼CEO:小沼光雄)と共同で実施したものです。

台湾には礫や玉石を含む地盤が多く、施工中の振動や騒音などが障壁となり、手つかずとなっている現場が少なくありません。フライホイール式パイルオーガによる硬質地盤クリア工法なら、N値(地盤の硬さ)600以上の超硬質地盤に対しても、振動・騒音を抑える圧入技術の優位性はそのままに施工できます。また事前の地質調査で確認されていない転石等に当たっても、安定的でスピーディーな掘削が可能です。

本工法は台湾において、地震などの災害に備える国土強靭化、インフラの長寿命化に向けた画期的なソリューションとなります。その優位性を現地の100名以上もの建設関係者に証明できた本デモンストレーションを追い風に、アクティオグループと協働して工法普及方法やビジネスモデルの構築を進め、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

■台湾における硬質地盤への建設課題

台湾には礫や玉石を含む地盤が多く存在しますが、他工法では掘削時に振動や騒音が発生するなど、住民生活への影響が問題となっています。また他工法は、掘削機で地盤を掘削した後、砂置換を行ってはじめて杭打機による打設の工程に入ることが一般的。工程数が多いうえ、地盤掘削と鋼矢板打設は1台の機械で行えないことから、工期の長期化や、それに伴い工費が増大します。

■当社工法なら課題をクリア

【硬質地盤クリア工法】
「サイレントパイラー」にパイルオーガを装着し、圧入とオーガ掘削を連動させた独自の「芯抜き理論」で硬質地盤に鋼矢板を圧入する工法です。無振動・無騒音をはじめとする圧入技術の優位性を損なうことなく、玉石混じりの砂礫層や岩盤などにも圧入できます。
杭圧入と地盤掘削を1台の機械で行えるうえ、他工法で必要となる地盤を砂に置き換える作業が不要。工期・工費を縮減でき、極めて効率の良い施工が可能です。掘削を最小限に抑えられることから排土量は少なく、周辺地盤を乱さずに強い支持力を持った完成杭を構築できます。

【フライホイール式パイルオーガ】
油圧モーターの動力を伝える回転軸に重りを組み込むフライホイール機構を採用し、従来型パイルオーガから更なる掘削効率の向上を実現した新型パイルオーガです。重りによる回転の慣性モーメントを利用してトルクを増強することで、硬くて掘削しづらい地盤に遭遇した際もオーガ回転速度の急落を防止。安定したオーガ回転を維持できるため、掘削効率が向上します。また、従来型パイルオーガからケーシング、スクリュー軸の強度を上げ、エネルギーの伝達効率をアップ。「ビット」と呼ばれる切削爪の耐摩耗性もアップさせています。

■当社工法のデモンストレーションを実施。関係者に優位性を証明

4月22~23日、台湾の桃園市でデモンストレーションを行いました。2日間で計4回実施し、現地の建設コンサルタント、元請業者等100名以上が参加しました。
現場は、表層に大きな礫や玉石が混じっているN値600の超硬質地盤でしたが、フライホイール式パイルオーガを用いた硬質地盤クリア工法により、振動・騒音を抑えながらスピーディーに施工。参加者からは「生産性向上に寄与するため、広く普及してほしい」「台湾には住宅地など振動・騒音に配慮しなければならない現場が多いため、ぴったりだ」といった声が上がり、採用に向けた具体的な質疑や意見が飛び交う場面も見られるなど、台湾各地の工事を計画する上流層への今後の普及活動に弾みをつけました。

場所桃園市中壢區青溪路一段1號
使用機材サイレントパイラー™ F111
フライホイール式パイルオーガ PA23
杭材型式・寸法U形鋼矢板4枚(400㎜幅、長さ13m)

■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を製造開発し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8:00~17:00) 広報担当:林

印刷用PDFはこちら
GKN24NW016JA