「月面等での建設活動プロジェクト」国交省と技術研究開発(R&D)契約を締結

構想の具体化に着手。“月への夢”は新たなステージへ

2022.6.22 ニュースリリース

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:森部慎之助)は、政府「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」(スターダストプログラム)の一環の「月面等での建設活動に資する無人建設革新技術開発推進プロジェクト」(主務:国土交通省、文部科学省と連携)で、技術の開発や実証に着手する「技術研究開発(R&D)」ステージに進むことが決まりました。2021年度の採択を受けて進めていた「圧入技術の宇宙空間における可能性検証1」が評価され、宇宙開発を見据えた圧入技術の研究は構想の具体化に向けた新しいフェーズに移行します。

当社の杭圧入引抜機「サイレントパイラー」やシステム機器は他の杭打ち機と異なり、地盤に打ち込んだ杭をつかみ、その引き抜かれまいとする抵抗力(反力)を利用して次の杭を打つことができるため、機械重量で機体を安定させる必要がなく、原理上、無重力空間でも施工できます。当社は先の可能性検証において圧入技術の有効性や開発課題を知見としてまとめ、4月に国土交通省に提出していました。

R&Dステージでは月面での建設活動を想定し、地盤情報推定技術や自動運転技術を駆使した実証試験にも取り組みます。既成概念を打ち破る技術で世界の建設課題を解決し続けている圧入技術。次のステージでも“自流独創”の技術を磨き、月面の未来を拓く「ムーンショット2」を成し遂げます。

※1 詳細については過去のニュースリリース(GKN21NW016JA)もご覧ください。
※2 困難だが、実現すれば大きなインパクトをもたらす壮大な目標のこと。米国のジョン・F・ケネディ大統領が1961年に「アポロ計画」発表時に発した言葉から誕生したと考えられています。

「インプラント工法」による月面での建設イメージ図

■2021年度の検証から得られた知見(抜粋)

【「ジャイロプレス工法」ならば多様な地盤に対応】
当社の工法の中でも鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法」が有効です。月面の地盤は未解明ですが、硬質地盤でも杭を貫入できる「ジャイロプレス工法」なら、幅広い地盤条件に1機種で対応可能。他工法で必要となる先行削孔や地盤の置き換え作業が要らず、輸送する資機材の削減や工期の短縮を叶えます。

【小口径の杭とコンパクトな圧入機で輸送量を削減】
杭材は小口径の管杭が有効と考えられます。宇宙に輸送できる資機材は限られますが、径の小さい管杭ならばスペースを取りません。また、自重で機械を安定させる必要のない圧入機は小型化、軽量化が可能であり、圧入する杭材の杭径を小さくできればよりコンパクトにすることができます。

【「PPTシステム」で地盤情報の推定と自動施工を実現
当社の「PPTシステムPress-in Piling Total System)」が有効と考えられます。「PPTシステム」は、圧入中に取得できる各種データに基づいて地盤情報の推定や自動運転を行うシステムです。ボーリング等事前の地盤調査の数量を削減可能で、エネルギー消費を最小にした施工が実現できます。

■2022年度からの取り組み概要

最長2025年度までの契約期間で、「回転切削圧入の施工データを利用した、月面建設の合理的な設計施工プロセスの提案と評価」を行います。

【通常の建設プロセスは「調査」→「設計」→「施工」】
一般に、地上での建設プロジェクトにおいて、施工に至るまでのプロセスは「調査(地盤の抽出調査)」「設計」「施工」の順に進められます。調査には専用機材が必要となるうえ時間を要するため、輸送物資に制限がある宇宙空間では、地上のプロジェクトに比べて実施数が限られることが考えられます。また、施工時に想定と異なる地盤が出てきた場合は設計変更が必要となるケースがあります。

【「PPTシステム」で3工程を同時に。プロセスを合理化】
PPTシステム」を用いれば、調査の情報が限られている場合に、施工データから推測した地盤情報を利用して情報を補完したり、設計の妥当性を検討したりすることができます。さらに、月面のように調査情報が非常に少ない場合でも、調査を兼ねた施工をしながら詳細設計を行うというプロセスにすることで、構造物の性能を確保できると考えられます。輸送資機材の削減、工期短縮に貢献できます。

【具体的な取り組み】
月面地盤を想定したテストフィールドにおいて小口径の杭と「ジャイロプレス工法」、「PPTシステム」を用いて実証施工を行うほか、支持力を推定する技術開発等も行います。最終的には、月面における構造物の構築を想定し、施工データを利用して建設プロセス全体を合理化する技術の適用可能性を提示します。

■今後の展望

月面の地盤についてはほんの表層部分しか分かっておらず、圧入技術で取得した地盤情報は、将来的に様々な構造物を建設する際の基礎情報にもなります。また宇宙での建設活動を想定した設計、施工プロセスの合理化は地上での建設技術の大きな向上に結びつけることが可能であり、建設のあり方を大きく革新するポテンシャルを秘めています。

※ 出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo15_hh_000326.html


■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を製造開発し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は世界の建設課題を解決しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所 経営戦略部
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