独・鉄道の盛土補強に「インプラント工法^Ⓡ」

株式会社技研製作所（本社：高知市、代表取締役社長：森部慎之助）が製造販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラー^Ⓡ」による「インプラント工法^Ⓡ」、「GRB^Ⓡシステム」^※が、ドイツの首都・ベルリンにて鉄道の盛土補強工事に採用され、工事を完了しました。

本件は住宅街と鉄道が近接する非常に狭隘な現場でしたが、すべての作業を既に施工した杭上で完結させる「GRB^Ⓡシステム」によって、クレーンや資機材置き場などの仮設構台を不要とし、住民生活や列車運行に影響を与えることなく完工しました。グループ企業の Giken Europe B.V.（本社：オランダ、社長：同／以下、技研ヨーロッパ）が技術コンサルティングを行い、施工しました。

多くの建設関係者が見学に訪れるなど、注目を集めた今回の工事。発注者やコンサルタント、元請業者が他案件で「GRB^®システム」の採用を視野に入れており、すでに別の鉄道盛土補強工事でも検討がスタートしています。本件を追い風に、ドイツ市場での認知度向上と採用拡大が進むことを期待しています。

※圧入機で既成杭を地中に押し込み、地球と一体化した粘り強い構造物を構築する工法が「インプラント工法^®」です。「GRB^®システム」は圧入機とパワーユニット移動装置、クレーン、杭搬送装置が施工した杭上を自走し、その上で作業を完結させるシステム。作業用仮設工事を不要とし“仮設レス施工”を可能にします。

■工事内容
既存の鉄道盛土はクラックが入るなど経年劣化が進んでいました。また、現在よりハイスピードの列車を運行する計画もあり、これに耐える盛土補強が求められました。

工事では「サイレントパイラー^Ⓡ」F401-1400 により、長さ 7.25～10.25ｍの U 形鋼矢板を2枚同時圧入で 187 ペア施工。224m 区間にわたって盛土の安定性を高める擁壁^※を構築しました。

※高低差のある土地で、側面の土が崩れてくるのを防ぐために設置する壁状の構造物のこと。

■採用理由
現場は住宅街と鉄道に挟まれた狭隘地。大型機械を用いる従来工法では、住宅を撤去して作業ヤードを広げるか、列車運行を止めて線路上に仮設構台を設置する必要がありました。また住民生活の妨げとなる工事中の振動や騒音、機械の転倒リスクも課題でした。

コンパクトな機械幅さえ確保できれば施工できる「GRB^Ⓡシステム」は、“省スペース施工”と “仮設レス施工”により狭隘地でも工事が可能。また、“無振動、無騒音”のため生活環境に影響を与えません。加えて、すべての機械装置は既設杭をしっかりとつかんでいるため原理上転倒の危険性がありません。施工空間の制約条件や周辺環境への悪影響を克服できる工法として採用されました。

■今後の期待
ドイツでは本件のような鉄道の盛土補強のほか、2013 年に発生した大洪水以降、洪水対策事業でも圧入技術の採用が広がっています。ブランデンブルク州やザクセン=アンハルト州で工事実績があり、「GRB^Ⓡシステム」が採用された例もあります。また現在、数多くの犠牲者を出した今夏の洪水被害を受けて大規模な水害対策プログラムが計画されているところです。

当社の「インプラント^Ⓡ工法」、「GRB^Ⓡシステム」は、地震や津波、洪水に粘り強く耐える「インプラント構造物」を、場所を選ばずに急速構築することができます。インフラ機能の再生や強化を通じて世界の生活基盤を維持し、激甚化する自然災害から人びとの命を守るためにも、さらなる提案と工法普及活動を行ってまいります。

■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー^Ⓡ」を製造開発し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所 経営戦略部
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