株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:森部慎之助)の鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法®」が、沖縄県の小禄(おろく)道路(国道506号)の道路擁壁で採用され、工事を完了しました。沖縄県でジャイロプレス工法®が採用されたのは初めてです。
沖縄でも圧入市場は拡大していますが、「ジャイロプレス工法®」の認知はまだ進んでいません。その中で今回、現場見学に訪れた現地の設計会社の担当者から「静かでスマート」と評価され、工事を機に具体的な引き合いも出てきました。本実績を足掛かりとして沖縄においても「ジャイロプレス工法®」の普及拡大を図っていきます。
■小禄道路
小禄(おろく)道路は那覇空港自動車道の区間の一つ(那覇空港IC ― 豊見城・名嘉地※IC)で延長は5.7㎞。交通渋滞緩和と那覇空港へのアクセス向上による快適な都市交通を目指して整備が進んでいます。
※「とみぐすく・なかち」と読みます
■工事内容
赤嶺トンネル(北側)工事の抗口手前に擁壁※を構築する工事で採用され、鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラーⓇ」GRAL1015(SP6)で直径800㎜、長さ8.0~13.5mの鋼管杭を56本圧入しました。このほか、硬質地盤対応型の杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」F301-C900で900㎜幅ハット形鋼矢板28枚(長さ4.5~9.5m)を圧入。両区間を合わせ、80.08m(うち「ジャイロプレス工法®」よる区間は54.88m)の擁壁となりました。
※ 周囲の土砂が崩れてこないように設ける壁状の構造物。本工事ではトンネル抗口に至る道路の側面に構築しました。


■ジャイロプレス工法®採用の理由
現場では周辺環境に影響を及ぼさない工法が求められました。また従来工法では現場の硬質地盤を掘削する際、長尺オーガを支える「オーガリーダー」を立ち上げる必要があり、その高さは20mを超えます。空港が近いことから、機材の高さを可能な限り抑えた施工が要求されました。
ジャイロプレス工法®は無振動、無騒音のため周辺環境に影響を及ぼす心配がありません。加えて当工法の場合、先端に切削爪を付けた鋼管杭で回転切削圧入することにより、掘削なしで硬質地盤を貫通できるためオーガリーダーが不要です。これらの優位性が採用の決め手となりました。
■事業概要
工事名 | 平成30 年度 赤嶺トンネル(北側)工事 |
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工事場所 | 那覇市安次嶺地内 |
発注者 | 沖縄総合事務局 南部国道事務所 |
元請業者 | 飛島建設・太名喜組・丸尾建設特定建設工事共同企業体 |
施工者 | 株式会社 角藤 |
使用機材 | ジャイロパイラーⓇGRAL1015(SP6)、サイレントパイラーⓇF301-C900 |
杭材型式・寸法 | 鋼管杭Φ800 L=8.0~13.5m 56 本、ハット形鋼矢板 10H、50H L=4.5~9.5m 28 枚 |
圧入工工期 | 2021年2月~3月 |
■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」を製造開発し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は世界の建設課題を解決しており、採用実績は40 以上の国と地域に広がっています。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所 経営戦略部
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