イクメン企業アワード2020でグランプリ受賞

男性育休取得率ゼロから30%に。職場の意識改革、環境整備実る

2020.10.28 ニュースリリース

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:北村精男)は、厚生労働省の主催する「イクメン企業アワード2020」でグランプリを受賞しました。このアワードは、働きながら安心して子どもを産み育てることができる労働環境の整備推進を目的に、男性の育児と仕事の両立推進に取り組む企業、団体を表彰するものです。

当社では2018年度まで男性育休取得率0%が続いていましたが、女性社員で結成された社内プロジェクトで進めた職場の意識改革と環境整備により、2019年度には同年度全国平均の7.48%を大きく上回る30%にまで向上しました(男性対象者20人中6人が取得)。取得日数についても、2018年度の全国の男性育休取得者の約8割が1カ月未満にとどまったのに対し、当社の平均は110.2日と非常に高い水準を記録しました。今回のグランプリ受賞では、これらを実現した種々の挑戦が高く評価されました。

なお当社社員は過去に「イクボスアワード2018(厚労省主催)」で特別奨励賞を受賞しています。社内プロジェクトを中心とし、「社員の幸福・満足度」の向上を具現化する働き方改革が着々と進んでいます。

■イクメン企業アワード
厚労省が推進する「イクメンプロジェクト」の一環として2013年度にスタート。応募企業の取り組みや成果などを審査し、毎年グランプリと次点の特別奨励賞を選出しています。今回の表彰式は11月20日に東京都内で開催される「イクメン推進シンポジウム2020」内で開かれます。シンポジウムでは当社プロジェクトメンバーが男性育休推進の取り組みを発表するほか、パネルディスカッションでパネラーとして登壇します。

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育児休業を取得した男性社員の様子

■当社の取り組み

【背景】
当社には2018年度までの10年間に配偶者が出産した男性社員が150人在籍していますが、育休取得者は1人もいません。男性が仕事を休んで子育てする文化が社内になかったことや育休のメリットとデメリットが明確に可視化されていなかったこと、取得対象者と配偶者が育休の存在を知っていても収入面や復職後のキャリアに不安を感じていたことなど理由はさまざまです。このため配偶者が出産しても男性はそのまま働くことが常態化しており、また育休を取得したくとも申し出にくい職場環境となっていました。

【男性育休取得推進チーム発足】
女性社員でつくる部門横断型の社内プロジェクト「ポジティブ・アクション(女性の活躍推進)プロジェクト」は2018年4月に発足しました。中堅社員を中心に組織し、「働きやすい職場づくり」や「社員満足度の向上」、「会社のブランド力向上」を目的に、さまざまな課題ごとにチームを作って活動しています。男性育休取得推進については2019年6月にチームが編成され、各メンバーの得意分野を活かした活動がスタートしました。

【チームの挑戦】
・アンケートで男性育休取得の課題を洗い出し
全社員を対象に「男性育休に関する知識、意識調査」を実施しました。アンケートでは、子どものいる男性社員の大半が「今思い返すと、育休を取得したかった、しても良かった」と考えていることが判明。収入減や職場の雰囲気、同僚の負担増が取得を敬遠する理由となっていたことも分かりました。育休取得を阻む不安や職場環境の課題を浮き彫りにし、全社員で結果を共有しました。

・育休給付金シミュレーションツールを構築
育休取得中の収入面の不安を和らげようと、給与支払明細書を基に国から支給される育休給付金額を簡単な操作で計算できる独自の「給付金シミュレーションツール」を構築し、社内のイントラネットに掲載。収入の変化を把握できるようにすることで、育休取得後の生活の見通しを立てられるようにしました。

・イントラネットで育休取得をアピール
育休取得の背中を押そうと、イントラネットに育児休業の専用ページを開設しました。「男性育休のすすめ」と題した資料では、「原則1歳になるまで希望する期間取得可能」「特に産後3カ月は、妻のサポート、赤ちゃんとの関わりが重要です」とアピール。「育児休業を取得して、赤ちゃんの『成長』に立ち会いましょう」と呼びかけました。取得手続きマニュアルやQ&Aも掲載しました。

・取得対象者と上司への説明会で意識改革
社員の意識改革に向け、配偶者が出産を控えた男性社員とその上司を対象に、事業所ごとにプロジェクトマネージャーである女性役員とチームメンバーが育休取得に関する説明会を実施しました。取得対象者にはキャリア面での不利益はないことなどについて丁寧に説明し、上司に対しては育休の重要性と効果、取得に対する理解について訴えました。その結果、説明会の参加者に「育休は育児だけでなく、配偶者の負担を軽減するために重要」「育休は短期間ではなく、十分な期間取得することが望ましい」といった意識を根付かせることができました。また社内報で男性育休取得者のインタビューを掲載し、誰でも育休を取得しやすい社内の雰囲気の醸成を図りました。

・役員が男性育休取得推進宣言
プロジェクトマネージャーの役員が社内通達で男性の育休取得推進を宣言。全社を挙げて育休を取得しやすい職場づくりや取得対象者の支援に取り組むメッセージを発信しました。

【今後の抱負】
グランプリを受賞できたことは大変光栄ですが、当社の男性育休取得推進の取り組みは道半ばです。今後は社内で共通テーマを定めて取り組んでいるグループ学習の時間に男性育休をテーマにしたディスカッションを取り入れたり、社内報でイクメンをテーマにしたリレーコラムを企画したりするなどし、育休取得率100%の目標に向けてさらなる意識改革、環境整備を推進していきます。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社 技研製作所 広報担当(林)
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8:00~17:00)

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