飛び杭圧入工法「スキップロック工法®」の特許が 四国地方発明表彰で四国経済産業局長賞を受賞

専用アタッチメントで飛び杭施工の工期、工費縮減を実現

2020.10.9 ニュースリリース

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:北村精男)の飛び杭圧入工法「スキップロック工法®」の特許(特許第5961443号)が、公益社団法人発明協会が主催する四国地方発明表彰で四国経済産業局長賞を受賞しました。この工法は間隔を空けて鋼管杭を圧入する「飛び杭施工※」を効率化するもので、当社の鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」に独自開発した「スキップロックアタッチメント」を組み合わせて施工します。アタッチメントを使うことで従来工法において必要だった資材や工程が大幅に省略可能となり、工期、工費を縮減できます。スキップロック工法®は近年、地すべり抑止杭や防潮堤の災害復旧工事に採用されるなど、活躍の場を広げています。

※ 杭径の2.5倍程度の一定間隔を空けて施工する工法。地すべり抑止杭や防潮堤の基礎杭で用いられます。基礎杭の用途や施工場所によっては杭間を空けない連続杭が良い場合もありますが、経済、機能面から飛び杭が合理的施工法として選ばれることがあります。

■スキップロック工法®
【従来は仮の短尺鋼管杭が必要】

ジャイロパイラーは既に打ち込まれた杭を機体下部のクランプで数本つかみ、その引き抜かれまいとする力(反力)を利用して機体を固定し、杭を圧入する機械です。ジャイロパイラーのみによる飛び杭施工では、本設の鋼管杭の間に仮の短尺杭を圧入する必要があります。仮杭なしで施工しようとすると、杭間が広いことから一部のクランプしか杭をつかめず、十分な反力が得られないためです。しかし、仮杭は最終的に撤去する必要があり、無駄な工費と工期が生じていました。

GKN20NW020JA-01

【スキップロックアタッチメントにより仮の杭が不要に】
スキップロックアタッチメントは仮杭なしでも反力を確保できるように開発した装置です。3つのアタッチメントを既に打ち込まれた3本の飛び杭上に固定し前後の連結部をつなげて使います。
各アタッチメントにはクランプがつかめる穴が2つ設けてあります。3つのアタッチメントで飛び杭上に「橋」を架けることで、クランプが把持するのに適当な間隔の穴を6つつくり出します。
施工時、全てのアタッチメントと飛び杭は油圧で一体化した状態となっています。これにより杭3本分の反力を確保し、全クランプでしっかりと機体を固定できるようになります。
アタッチメントはクレーンで移動できます。杭上で圧入工程を完結させるGRBシステム施工を行う場合は最大8つのアタッチメントを連結します。

【採用事例】
スキップロック工法®は2013 年5月に福井県の防潮堤工事で初めて採用されました。東日本大震災で被災した防潮堤の復興工事でも複数の施工実績があります。長崎県の九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の建設現場では地すべり抑止杭として初採用され、今年7月に完工しました。

■地方発明表彰
各地方における発明の奨励、育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することを目的として1921 年に始まりました。全国を8 地方(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州)に分け、各地方において優秀な発明、考案、意匠やそれを完成させた代表者らを顕彰するものです。学識経験者および主催者で構成する地方発明表彰選考委員会が審査しました。当社の技術が本表彰で受賞するのは18 回目。近年では2011 年に機械式駐輪場「エコサイクル」が「発明協会会長奨励賞」、2012 年に鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」が「文部科学大臣発明奨励賞」を受賞しています。

■今後の期待
スキップロック工法®の国内における採用例は増加傾向にあり、国土防災の観点から今後ますます増えていくと予想されます。地すべりなどの災害に悩む海外諸国においても潜在的なニーズを見込んでおり、今後の普及拡大を期待しています。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社 技研製作所 広報担当 (林)
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8001700

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GKN20NW020JA