株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:北村精男)が製造・販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラー®」による圧入工法が、昨年9月に当社のグループ企業であるGiken America Corporation(以下:技研アメリカ)と協働契約を締結したニューヨークの建設コンサルタント、Mueser Rutledge Consulting Engineers (以下:MRCE社*)との協働により、マンハッタンの住宅街での案件に初めて採用され、8月17日に圧入工事が完了しました。
今回の案件は、マンハッタン島南東部の学校やマンションが建ち並ぶ住宅街にある公園の地下にボイラー設備を建設するため、鋼矢板による土留め用の締切り壁を構築するもので、設計をMRCE社が担当しました。米国には鋼矢板の施工機械は振動・騒音を伴うものだという認識が未だ根強く、ニューヨーク市では隣接構造物から15m以内の基礎工事に、低振動・低騒音工法の使用が義務付けられています。本案件も当初はソイルミキシング工法によるコンクリート壁が検討されていましたが、技研アメリカによるVE(Value Engineering)提案により、無振動・無騒音かつ原設計に対し約50%のコストダウンと工期短縮が可能な圧入工法による鋼矢板壁が採用されました。
工事を請け負ったPeterson Geotechnical Construction LLC (ピーターソン・ジオテクニカル・コンストラクション社)に対し、技研アメリカから「サイレントパイラーF401-1400」のレンタル提供と技術指導員の派遣を行い工事が進められました。
ニューヨーク市内の発注者や設計コンサルタント、施工業者からは、同様の条件下での問い合わせが増えており、都市部での圧入工法の優位性の認知を広げる絶好のモデルケースとなりました。
技研アメリカでは、今後もMRCE社との協働を進め、圧入工法に適したプロジェクトの調査、設計提案を積極的に行い、さらなる工法普及を進めていきます。

■圧入施工中の様子


■ 工事概要
工事名 :83-89 COLUMBIA STREET BUILDING #3 - NEW BOILER PLANT & SITE WORK
工事場所 :83-89 Columbia Street, New York, NY
発注者 :MASARYK TOWERS CORP.
元請業者 :AM&G WATERPROOFING LLC
施工者 :Peterson Geotechnical Construction LLC
使用機械 :サイレントパイラー F401-1400
矢板型式・寸法 :Z形鋼矢板 ZZ26-700, L=50ft (15.2m), n=77枚
圧入工工期 :2019年7月中旬~8月中旬
*MRCE社の概要
MRCE社は、ニューヨーク マンハッタンに本社を置き、複雑で難易度の高い建設プロジェクトを遂行するための先駆的な新技術を100年以上に渡って開発してきた、ニューヨークでも権威のある建設コンサルタント・地盤工学エンジニアリング会社です。同社には、地盤工学・開削・基礎・地盤改良・ウォーターフロント構造物・ダム・トンネルなどの幅広いエンジニアおよび経験豊富で多様な知識を持つパートナー(コンサルタント)が多数在籍しているとともに、ニューヨーク都市圏とワシントンD.C.において他に類を見ない広範な地下情報のデータベースを有しています。昨年の9月に、圧入工法の普及拡大に向けた協働契約を技研アメリカと締結しました。
経営戦略部 情報企画課
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