株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:北村精男)は、2月25日に当社赤岡実証場にて、独自の圧入技術で必要な橋梁機能を早期に提供できる「インプラントハット橋梁」の実運用に向けた載荷試験を実施しました。
インプラントハット橋梁は、当社の圧入技術により地盤と一体化させたインプラント構造の笠付き鋼管杭(インプラントハット杭)をピアー杭として利用し、その上に梁を介して⼤型覆⼯板を設置することによって必要な橋上空間を提供する橋梁です。建設に必要な資機材をすべて橋梁の上に載せて作業できることから、省スペースかつ短期間で架設できる特⻑に加え、建設時と逆の⼯程をたどることで移設・撤去も容易に⾏えます。
当社では、これまで実際にインプラントハット橋梁(スパン6m、幅6m)を同実証場内に架設し、施⼯性の検証とクレーン等の重量物に対する支持力性能を確認してきました。今回、その実運用に向け、同橋梁の鉛直支持力・⽔平抵抗を担保する笠付鋼管杭の性能照査のための載荷試験を実施。自治体関係者や建設関係者など約70名に試験状況を公開しました。
試験の結果、笠付き鋼管杭は笠部のない鋼管杭と比較して、鉛直方向で約1.7倍(杭頭変位が80mmの場合)、水平方向で約1.6倍(地表面での変位が15mmの場合)の支持性能を有することが確認され、その有効性が実証されました。
インプラントハット橋梁は、同実証場の地盤条件で1日18m以上の架設が可能と判断され省スペースかつ早期に構築できることから、都市部など制約の多い場所での橋梁の新設をはじめ、災害発生時の緊急輸送道路や作業ステージ、さらには海外での新設道路の急速施工など、様々な場所・場面での適用が期待されます。当社では今後も実証試験を継続して科学的な裏付けを重ねるとともに、実運用に向けた設計手法の確立を進めていきます。