可搬式自転車駐輪システム「モバイルエコサイクル」 を活用したシェアサイクルの実証運用を開始

自転車利用を促進し、機能的で快適な街づくりに貢献

2015.9.11 ニュースリリース

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:北村精男)は、パナソニック株式会社(以下パナソニック)と連携し、神奈川県藤沢市の「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)」において、当社独自開発の可搬式自転車駐輪システム「モバイルエコサイクル」を用いた新しいシェアサイクルシステムの実証運用をスタートさせました。

2014年4月に藤沢市に誕生したFujisawa SSTは、1961年にパナソニック(当時は松下電器産業)が初めて関東に進出した藤沢工場の跡地を活用して、1,000世帯規模の住宅と商業・福祉・教育・交流などの施設を整備する約19haの大規模な街区開発事業です。 藤沢市をアドバイザーに迎え民間企業19団体が主導する官民一体の共同プロジェクトとして、先進的なエネルギー・環境・情報通信・防災技術を導入した新しい街づくりが国内外から注目を浴びています。

その中で、当社とパナソニックの両社が「人と環境にやさしい自転車による次世代モビリティの提供」でコンセプト合意したことから、当社の「モバイルエコサイクル」とパナソニックの「電動アシスト自転車およびバッテリー充電ロッカー」を融合させたシェアサイクルシステムの実証運用に至りました。

環境負荷の低減や利用者の健康管理への寄与など多くの有用性が見直されている自転車は、世界各地で都市交通システムの重要な要素のひとつとして活用が進む一方、放置自転車問題や利用環境の整備不足など課題が山積しています。 省スペース・高収容で組立・解体の容易なモバイルエコサイクルは、自転車利用のポテンシャルを高めるとともに、駐輪問題をはじめとする様々な自転車問題を一気に解決する、利便性と汎用性に優れた機械式の駐輪システムです。

先進的なスマートタウンでの実証運用開始の意義は大きく、都心部をはじめ日本各地で広がりを見せるシェアサイクルの運用拡大や、日本流シェアサイクルシステムとしての海外展開なども視野に入れ、機能的で快適な街づくりに貢献するロールモデルとして、積極的な情報発信を進め普及拡大につなげていきます。

Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)

可搬式自転車駐輪システム「モバイルエコサイクル」

当社は独自の圧入工法で創造する地下空間を活用し、自転車を全自動で収容する耐震地下駐輪場「エコサイクル」を1998年に開発、これまでに全国17箇所で46基が稼働中です。 モバイルエコサイクルは、エコサイクルの技術を応用し、エコロジーな自転車を軸に、モビリティの向上と利用者の健康管理、さらには地域交流や地域経済の活性化を図る「スマートサイクルコミュニティ」の実現に向けて開発した可搬式の自転車駐輪システムです。

様々な場所に設置でき、すぐさま機能を発揮

自転車を「いつでも」「どこでも」「手軽に」利用できるサイクルポートとして広範に設置して即座に運用できるよう、コンパクトで組立・解体・運搬が容易な可搬式のシステムとしており、設置で1日~2日、撤去は1日で完了します。

自動車約3台分の駐車スペースで58台の自転車を収容(平置き駐輪場の約2.3倍の収容効率)でき、用地を十分に確保できない都市部でも展開可能な省スペース・高収容設計です。

設置場所や設置期間を問わず、人と街を自転車でつなぐ基点として、駅や商業施設をはじめ、学校やマンション、観光地やイベント会場など、様々な場面で活用できます。

機械管理による安全・快適な自転車保管、簡単・高速な入出庫

機械管理による安全・快適な自転車保管、簡単・高速な入出庫

自転車は外装面に覆われたスペースに全自動で収容されるため、風雨による損傷や盗難、いたずらなどの心配がなく安全・快適に保管されます。

自転車の入出庫はICタグとICカードを用いたワンタッチ式の簡単操作、音声ガイダンスと各種センサーによって、誰でも安心して利用できます。

入出庫スピードも高速で、最速8秒で自転車が取り出せ、利用者を待たせません。


利便性と美観に優れるシェアサイクルポートとして展開

利便性と美観に優れるシェアサイクルポートとして展開

モバイルエコサイクルは、多様な場所に設置できる汎用性の高さと、自転車の入出庫状況を機械管理できる特性から、シェアサイクルポートとしても有用性を発揮するシステムです。 移設・撤去も容易で、ニーズの変化にともなうポートの増廃設や移設にも柔軟に対応できます。 また外装面は、利用者や通行人への広告・案内スペースとしても活用でき、自転車利用の促進だけでなく「魅せる駐輪」によって街を変える効果も期待できます。


モバイルエコサイクルを用いたシェアサイクルシステムの実証運用

当社とパナソニックが連携して実証運用を始めたシェアサイクルシステムは、Fujisawa SSTが進めるトータル・モビリティサービスのひとつに位置付けられ、「電動アシスト自転車のシェアサイクルサービス」として住人向けに提供されます。

シェアサイクルの予約や貸し出し手続きは、マルチデバイスに対応した住人専用ポータルサイト「タウンポータル」(Fujisawa SSTマネジメント株式会社が管理運用)にて、人手を介さずにいつでもどこでも行うことができます。

利用にあたっては住人が所有する「Fujisawa SSTカード」によって、ワンタッチ操作で簡単にシェアサイクルを利用できます。 利用後は充電ロッカーで電動アシスト自転車のバッテリーを交換し、自転車をモバイルエコサイクルに返却するだけで手続きが完了します。

1.運用管理電動アシストシェアサイクルサービスの提供/Fujisawa SSTマネジメント株式会社
・モバイルエコサイクル/株式会社技研製作所
・充電ロッカー/パナソニック システムネットワークス株式会社
2.運用場所神奈川県藤沢市辻堂元町6丁目Fujisawa SST内
Fujisawa SST街区全体図

3.施設概要

施設概要

4.シェアサイクルシステムの利用イメージ

シェアサイクルシステムの利用イメージ

電動アシスト自転車のバッテリーを太陽光発電で充電し保管・利用するシステムです。 シェアサイクルポートと併設し利用者自らがバッテリー交換を行うことで、充電にかかる手間や残量などの不安を解消します。

バッテリーを自由に交換利用できるバッテリーシェアリングの実現により、環境負荷の少ないモビリティ社会の推進に貢献します。

以上

お問い合わせ先: 株式会社技研製作所 工法事業部 地下開発課 Tel.03-3528-1629
GKN15NW006JA