津波実験装置「津波シミュレータ」を開発

2015.1.20 ニュースリリース

株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:北村精男)はこの度、津波を水路上に再現して各種実験を行う「津波シミュレータ」を開発し、高知本社内に設置しました。

東日本大震災では、地震と津波の相乗作用で防潮堤などの防災インフラの多くが崩壊し甚大な被害が及ぶなか、当社が早くから提唱し実践をしてきた地球と一体化する「インプラント構造」による鋼矢板二重締切工などの構造物は、巨大地震と大津波にも耐え残り機能を維持しました。

津波シミュレータは、そうしたインプラント構造物の耐津波性能の高さを科学的に検証するとともに、地震と津波による構造物の被災メカニズムの分析によって、これまでの常識を超える新素材を用いた合理的で高度なインプラント構造物の構築を具体的に提案するために開発した装置です。

今後の巨大地震と大津波に備え、全国的に防災インフラの強化再生が喫緊の課題となるなか、その対策方法の多くは、従来の方法による土構造やコンクリート構造となっており、粘り強さを確実に発揮させる根本的な解決策が図られていないのが実情です。 当社では、本装置をはじめ今後も実験設備の拡充を図り、国際圧入学会(IPA)などとタイアップし、科学に裏付けられた確かな防災・減災技術としてインプラント構造の普及拡大を推進していきます。

装置の概要

1. 装置名:  津波シミュレータ

2. 構成

装置の概要

3. 仕様
水路:             19.5 m(長さ) × 1.5 m(幅) × 0.8 m(深さ)
土槽:             1.5 m(長さ) × 1.5 m(幅) × 1.3 m(深さ)
タンク容量:   40 m3(地上タンク)、110 m3(地下タンク)
ポンプ流量:  40 m3/分(最大)

造波性能

最大波高:   約25cm (段波の場合)
最大流速:   約3m/s (段波の場合)
波型:   二種類の波を造波
① 「段波」津波先端部の壁のように切り立った波を模擬
② 「還流」津波本体の連続的な流れを模擬

堤防模型を用いた津波実験の実施例

1. 土槽部に実験模型(1/33スケールの防潮堤模型)を設置

堤防模型を用いた津波実験の実施例①

2. 地上タンクに水をためゲートを開き水路内に津波(実物大で波高6~7m、流速10~15m/s)を発生
実験模型の挙動を計測室で計測

堤防模型を用いた津波実験の実施例②

3. 実験動画(スロー映像)

以上

お問い合わせ先: 株式会社技研製作所 情報企画部 情報企画課 Tel.03-3528-1630
GKN15NW001JA