第2回圧入工学に関する国際会議(ICPE2021)が開催されました。

2021.6.25 お知らせ

圧入技術を核とした「圧入工学」の深化を図る「第2回 圧入工学に関する国際会議(The Second International Conference on Press-in Engineering , Kochi, Japan/以下、ICPE)」が1920の両日、オンライン開催され、世界19の国と地域の430人が最新の研究や論文、施工事例を共有し、意見交換しました。

ICPEは国際圧入学会(拠点:東京都港区、会長:チュン・ファィ・リャン/以下、IPA)が主催する国際会議で、初回は2018年に開かれました。前回よりも参加国数が2カ国増えた今回のテーマは「防災・減災やインフラ整備における圧入工学の発展と社会貢献」。2日間で計64件の講演や論文発表がありました。

初日は、インフラ維持、修復、管理の第一人者である城西大学の藤野陽三学長が「インフラの保守整備、改修および管理に関する研究開発」、杭基礎に関する研究の世界的権威である西オーストラリア大学のマーク・ランドルフ教授が「硬質地盤または軟岩に根入れされた既成杭の先端抵抗に関する設計時の考察」と題して基調講演。2日目は最新の研究報告として、IPA技術委員会から「硬質地盤への自立式鋼管杭擁壁の適用」(東京工業大学 竹村次朗准教授)、「圧入施工データを利用した地盤情報の推定」(技研製作所 石原行博)、「地盤工学分野における鋼矢板工法の適用-PFS 工法の開発報告」(熊本大学 大谷順理事・副学長)をテーマにしたプレゼンが行われました。

両日通して開かれたセッションでは、12カ国の研究者や有識者、技術者が圧入工学に関する計59の論文や研究を発表。当グループからも11人が「単独圧入により施工された鋼矢板の鉛直支持力の調査」「Summary of case histories of retaining wall installed by rotary cutting press-in method」「圧入工法の適用事例:滑動中の地すべり地における恒久対策」などのテーマで発表しました。発表後はプレゼンターと参加者で活発な質疑応答や意見交換がなされ、圧入技術に対する注目度の高さをうかがわせました。

当社社員によるプレゼンの様子

参加者向けのウェブサイトでは、当社や当社グループ会社、ユーザー、関連企業などによるオンライン展示ブースが設けられ、最新の技術や活動状況、施工事例などが紹介されました。ブース担当者と参加者によるチャットを通じたやりとりもあり、圧入工学の推進につながる新しいネットワークが築かれました。また、休憩時間のライブ配信画面には後援団体である高知県などのPR動画が放映され、圧入技術の発祥地・土佐の魅力が世界に発信されました。

■会議の概要(終了)

1. 開催日程:
2021年619日(土)-20日(日)

2. 開催方法:
オンライン

3. 参加者数:
430名(海外参加者:約90名)

 4. 参加した国と地域:
19の国と地域(⽇本、イギリス、シンガポール、アメリカ、オーストラリア、中国、フランス、タイ、ベトナム、ブラジル、カナダ、ドイツ、香港、韓国、マレーシア、オランダ、スリランカ、チュニジア、ウクライナ)

 5. テーマ:
『防災・減災やインフラ整備における圧入工学の発展と社会貢献』
 1. 圧入工法等を用いた防災対策
 2. 圧入工法等に関連したインフラ整備
 3. 圧入工法等による生産性と環境問題の改善(自動化/騒音振動への対策/その他)
 4. 圧入工法等の工法評価方法または評価事例
 5. 圧入工法等で施工された杭、矢板および構造物の性能評価
 6. 技術者・技能者教育
 7. その他
 ※ 学術的な課題(基礎研究)または実用的な課題(施工例や機械開発等)

6. 開催内容:
基調講演、現況報告、一般セッション(技術分科会)、表彰(優秀論文、多年にわたる貢献等)

7. 主催:
国際圧入学会(IPA/ICPE組織委員会

8. 後援:
アジア土木学協会連合協議会、国際地盤工学会、公益社団法人 地盤工学会、公益社団法人土木学会、高知県など 27 団体

9. 助成:
公益財団法人 前田記念工学振興財団、公益財団法人 鹿島学術振興財団