GIKEN圧入技術マガジンvol.01

2021.5.19 メールマガジン

 <事例紹介> GRBシステム+ジャイロプレス工法

道路供用を維持しつつ崩落道路復旧
~仮設なしで施工。工事後、擁壁の地すべり抑止効果確認


■国道19号の復旧事例
長野市の国道19号では201710月、台風21号により片側一車線が崩落しました。住民生活や地域経済への影響を避けるため、復旧工事で求められたのは片側交互通行の確保。GRBシステムとジャイロプレス工法の併用により、極めて狭隘な施工ヤードの中、作業用の仮設構台を造ることなくこの条件をクリアし、鋼管杭で粘り強い擁壁を急速構築しました。

■地すべり抑止効果を確認
本復旧区間の真隣では、地すべりによる路面沈下が進んでおりニュースで報じられています。先日現場踏査を行ったところ、背後の地山から滑っており、クラックが多数見受けられました。一方、復旧区間において地すべりは生じておらず、健全な状態を保っていました。両者の対比は、当社工法で構築した擁壁の粘り強さを証明していると考えられます。

■現場を動画で紹介
GRBシステムはすべての作業を既設杭上で完結することができます(詳細は後述いたします)。動画では機械を載せる仮設構台なしでの施工や片側交互通行を維持している様子がお分かりいただけます。

■被災後の現場
台風被害を受け、道路崩落を防ぐもたれ式擁壁が約40mにわたって地すべり崩壊。国道の一車線が崩落しました。もたれ式擁壁は斜面にもたれるようにして造られたコンクリート擁壁。脆弱な構造のため豪雨や地震で被害を受けるケースが多くあります。

写真は応急復旧中の様子

応急復旧後は片側交互通行となりました。この車線幅では通常の建設機械で復旧工事を行うと全面通行止めは避けられません。谷側に作業用の仮設構台を造って道路供用を確保する手法もありますが、現地は大変急峻な地形であることから、工期、工費ともに大きく膨らんでしまいます。

■復旧工事概要
仮設構台なしで直径800㎜、長さ31.5mの鋼管杭を圧入。地すべり抑止を兼ねた、地震や豪雨災害にも粘り強く耐える「インプラント構造®の擁壁を構築しました。

※インプラント構造とインプラント構造を構築する「インプラント工法®」の詳細についてはhttps://www.giken.com/ja/mission/implant_method/をご覧ください。

断面図

■作業用仮設工事を不要にする「GRBシステム」
GRBシステムは、すべての機械装置を既設杭上で自走、稼働させることで、杭の搬送、建て込み、圧入といった圧入施工の全工程を杭上で完結させることができる施工システムです。仮設桟橋や仮設道路など一切の仮設工事が不要な「仮設レス施工」を実現し、工期、工費を縮減します。

GRBシステムの基本構成は、杭を地中に押し込む圧入機本体を先頭に、油圧動力源のパワーユニット、パワーユニットを移動させるユニットランナー、杭を建て込むクランプクレーン、作業基地から杭を搬送するパイルランナーで構成されます。

施工手順については以下の動画をご覧ください。

圧入機とすべてのシステム機器はコンパクト。工事の影響範囲を杭上の機械幅に抑え、省スペース施工を可能にします。水上、傾斜地、不整地、狭隘地、低空頭地でも一切の仮設工事が要りません。すべての機械は既設杭をつかんで自立しているため原理上、転倒のおそれがありません。

■硬質地盤、地中障害物を打ち抜く「ジャイロプレス工法」

ジャイロプレス工法は、鋼管杭の先端に切削爪を付けて回転圧入することで硬質地盤やコンクリートなどの地中障害物を貫通し、粘り強いインプラント構造物を急速構築する工法です。既存構造物を残したまま施工できる特長があります。

堤防や防潮堤の補強工事では、既設堤防を撤去することなく、その機能を維持したまま機能強化を図れます。仮堤防の構築も不要です。

ジャイロプレス工法は、地盤の掘削作業や砂への置き換え作業が不要です。またGRBシステムを併用することで、広大な工事スペースや作業用仮設工事も要りません。狭隘地や既存施設、交通網への影響回避といった制約条件をクリアしつつ、工期、工費ともに縮減できる工法として国内外で採用が広がっています。