エジプトの病院施設建設工事で「ゼロクリアランス工法」採用

中東最大の都市のひとつであるカイロでは、慢性的な公的医療機関での専門医、医療機器および設備の不足が問題となっていました。本工事をおこなうカイロ大学小児病院は、貧困層に対する小児医療サービスを中核的に担う存在で、1982年に日本の支援によって設立されたことから、地元市民の間では「日本病院」として知られています。しかし、建物の老朽化やスペース不足等の問題を抱えており、内科系診療棟の新設を計画。外来サービスの改善と共に大学病院としての教育機能の強化を図りました。

採用理由

今回の新設工事での地下掘削に伴う土留め工事は、当初、他の工法で行う予定でしたが、隣接するレンガ造りの構造物への影響や地下水位が高いことを理由に、鋼矢板を用いた圧入技術への変更が検討されました。その中でも周囲の施設を供用しながら敷地を有効利用するために、隣接する構造物との隙間(デッドスペース)を「ゼロ」の状態で施工可能なゼロ矢板(NS-SP-J)を用いる当社の「ゼロクリアランス工法」が、日本国内での豊富な施工実績を基に採用されました。

事業概要

事業名:カイロ大学小児病院外来診療施設建設計画
ODAの種類:無償資金協力
工事場所:エジプト・アラブ共和国カイロ県カイロ市
使用機材 :ゼロパイラー SCZ-ECO600S
杭材型式・寸法 :ゼロ矢板(長さ7.5m46枚、(長さ10.5m100
圧入工工期:2019 8 月~9