セネガルのダカール港の岸壁改修工事(ODA案件)で「ジャイロプレス工法」採用

グループ企業・株式会社技研施工により岸壁改修工事(圧入工事部分)を完了しました。工事中も荷役や船舶の接岸を妨げない優位性などが評価を受け、採用。本件は、オンリーワンの本邦技術である当グループの圧入技術が開発途上国の建設課題を解決した好例としてODA関係者らの注目を集め、メディアや各種セミナーで広く紹介されています。202011月には「公共調達シンポジウム」(公益社団法人土木学会主催)で関係者が事例紹介。20213月には「JICA課題発信セミナー」(JICA主催)に当社が招かれ、建設コンサルタントやゼネコン、商社、NGO、自治体等のODA関係者に対して発表しました。

採用理由

当初はコンクリート製のブロックを海中に積み上げて岸壁を構築する計画でした。しかし、岸壁位置を海側へ20m前出しする必要があり、対岸埠頭との間を狭めることで船舶の運航環境を悪化させる懸念がありました。また、施工には大型の作業台船が必要になるため、工事中の接岸や荷役作業の安全に影響を及ぼすという課題がありました。

一方、鋼管杭による岸壁は前出し幅を最小の6mに抑えられます。また、鋼管杭の施工方法の中でも「ジャイロプレス工法」であれば、圧入機本体が既設杭上を自走して施工できるため作業台船を必要とせず、船舶の接岸や荷役を妨げません。加えて、鋼管杭の先端に切削爪を取り付けて回転切削圧入することで、事前掘削作業なしで岩盤に直接貫入が可能です。仮設を必要としないスピーディーな施工により、ブロック式や他工法と比べても工期を短くできます。上記のようなさまざまな優位性を背景に本邦の質の高いインフラ技術として提案し、採用されました。

事業概要

事業名 :ダカール港第三埠頭改修計画
ODA の種類 : 無償資金協力
工事場所 :セネガル共和国ダカール州ダカール県
使用機材:ジャイロパイラー F401-G1200 2台
杭材型式・寸法 :鋼管杭(直径1000mm、長さ21.0~23.0m)304本 (本杭299本+仮設杭5本)、小口径鋼管(直径318.5mm)299本
圧入工工期 :2019年9月~11月(1期施工) 2021年2月~3月(2期施工)