株式会社技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:大平厚)の鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法™」が、シンガポールで継続的に採用されています。ホテルの建設事業では、当社の「GTOSS™ ASIA」※1会員である現地企業のGuan Chuan Engineering Construction Pte Ltd(グアン・チュアン社)が工事を実施。また同社に対し、当社グループ企業の株式会社技研施工(本社:高知市、代表取締役社長 CEO:西川昭寛)がコンサルティング支援を行いました。
シンガポールは国土が狭隘で人口や施設が密集する地域が多く、工事を行う際に厳しい制約条件が伴う現場が少なくありません。また近年、硬質地盤での工事案件も増加。そうした中、硬質地盤でも無振動・無騒音施工や省スペース施工、急速構築を可能にする「ジャイロプレス工法™」は、グアン・チュアン社と実施したデモンストレーションにおいて建設関係者から高い評価を受け、1月の研究施設建設事業での初採用※2を皮切りに、採用が広がりを見せています。今回、制約条件を克服する画期的なソリューションとしてその有効性を実証したことで、今後も同様の課題を抱える医療・研究・教育機関など配慮が必要な施設の老朽化対策や、限られた敷地での施工が求められる都市再開発における採用が期待できます。
今後は建築分野へはもちろん、シンガポール国内で高まる高潮・洪水対策のニーズを背景に、空港や沿岸部における堤防・護岸の強化事業に向けた技術提案活動も進めていきます。引き続き、現地の「GTOSS™」会員企業との緊密な連携のもと、アジア圏における案件創出と当社技術の普及を着実に加速させてまいります。
※1 当社が展開する圧入機ユーザーへの総合支援サービス。過去のニュースリリースもご覧ください。( https://www.giken.com/ja/news/release/gkn24nw020ja/ )
※2 過去のニュースリリースもご覧ください。 ( https://www.giken.com/ja/news/release/gkn25nw012ja/ )


■工事内容
「ジャイロパイラー™ GRV1230」により、長さ9.5~12m、直径1000㎜の鋼管杭を138本圧入。延長152mにわたって、土留め壁※を構築しました。
※ 地盤を掘削する際に、周囲から土砂が崩れてくるのを防ぐために設ける壁のこと。

■ジャイロプレス工法™
先端に「リングビット」と呼ばれる切削爪を付けた鋼管杭を回転圧入することで、既存構造物や硬質地盤を貫通し、粘り強いインプラント構造物を構築する工法です。既存構造物を打ち抜けることから残置物の撤去が不要なうえ、掘削機による事前掘削が要らず、工期・工費を縮減できます。また、鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー™」は軽量・コンパクトな機体が既設杭をしっかりとつかんでいるため原理上転倒の危険性がなく、振動や騒音を抑えながら施工できることから周辺環境に悪影響を及ぼす心配もありません。

■採用理由
現場は硬質地盤で、他工法では振動式の大型杭打ち機で施工する必要がありました。しかし、築古物件や集合住宅、オフィスが隣接しており、施工スペースの確保が困難なうえ、施工時の振動による建物への被害が課題に。既存のコンクリート構造物を撤去する工程も必要となるため、工期が長引く恐れもありました。
「ジャイロプレス工法™」なら、硬質地盤でも振動・騒音を抑えながら省スペース施工ができます。また、コンクリート等の障害物があっても杭を直接圧入できるため、残置したまま施工可能。工期を短縮できる点も含め、制約条件をクリアできる技術として採用されました。
■工事概要
工事名 | ホテル建設に伴う鋼管杭を用いた土留め工事 |
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工事場所 | 24 Peck Seah Street, Singapore |
発注者 | 24 PS ST PROPERTY PTE LTD |
元請業者 | Kim Hua Construction Pte Ltd |
施工業者 | Guan Chuan Engineering Construction Pte Ltd |
使用機材 | ジャイロパイラー™ GRV1230 |
杭材型式・寸法 | 鋼管杭138本(直径1000㎜、長さ9.5~12m) |
圧入工工期 | 2025年4月29日~7月7日 |
■技研グループ概要
「圧入原理」を世界に先駆け実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」を製造販売し、その優位性を生かしたソリューションを提案・実践しています。無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築――。圧入技術が提供するオンリーワンの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社技研製作所 広報担当:安河内
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8:00~17:00)
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