副社長の森部慎之助が代表取締役社長に就任 創業者の北村精男は代表取締役会長に

創業以来初の社長交代。節目のタイミングに新体制をスタート

2020.11.25 ニュースリリース

株式会社技研製作所は、1125日開催の取締役会において、取締役副社長の森部慎之助が代表取締役社長、代表取締役社長の北村精男が代表取締役会長に就任する役員人事を決定しました。就任は同日付。社長の交代は1967年の創業以来初めてとなります。

■北村精男と当社の歩み
【圧入業界を創出】
1967年、26歳で「公害対処企業」を掲げて前身の高知技研コンサルタントを創業。1975年には自ら発見した圧入原理を実用化した杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を開発。建設公害の元凶と言われた杭打ち工事による振動、騒音問題を解決するとともに、圧入業界を創出しました。
【工法革命を推進】
当初は土木事業を手掛けていましたが、1978年に現在の技研製作所を設立し、開発型企業として歩み始めました。その後も圧入の優位性を生かし、作業用仮設工事を不要とする「GRBシステム」をはじめ、従来は考えられなかった新工法、新技術を次々と創出。無公害化や工費、工期の縮減、CO2の削減など、「建設の五大原則」に則して工事を合理化する「工法革命」を具現化しました。
【「公害対処企業」から「国土防災企業」に】
当社は「インプラント工法で世界の建設を変える」を経営方針に掲げています。インプラント工法とは高い剛性と品質を有した杭材を圧入機で圧入することで粘り強い構造物を造る工法です。地震や津波、洪水などの災害に粘り強く耐える「責任構造物」を造るこの工法は、2011年の東日本大震災を一つの契機に防災、インフラ事業で採用が進みました。以後、当社は「国土防災企業」として知られるようになります。創業50周年を迎えた2017年には高知県の製造業として初の東証一部上場を果たしました。
【一代で「グローバルエンジニアリング企業」への転換実現】
近年は海外展開に注力しており、圧入工事の実績は世界40以上の国と地域に拡大。世界遺産の運河(オランダ)の護岸改修をはじめ、大型案件にも圧入技術を核とした当社提案が続々と採用されています。また機械供給やグループ会社による施工だけでなく、設計や部材調達、維持管理まで担う「トータルパッケージ」の受注も進んでいます。高知で生まれた小さな土木会社は、北村の一代で世界の建設をグランドデザインする「グローバルエンジニアリング企業」へと転換しました。

■工法普及の歩みと森部慎之助の貢献
【平たんではなかった工法普及の道のり】
今でこそ国内外で採用が拡大しているインプラント工法®ですが、提案手法に課題を抱えていたほか、実績のないものを認めない古い考え方や前例主義にはばまれるなど、工法普及の道のりは平たんではありませんでした。
従来の構造形式をインプラント構造に変えるためには、最上流である発注者へのアプローチが欠かせません。しかし、森部が入社する前の工法普及はコンサルタントやゼネコンの問い合わせ対応がメイン。圧倒的な優位性を持つ技術を持ちながら、発注者への提案活動を課題としていました。
【「攻めの提案」で工法普及を一気に加速】
従前の当社にはなかった「攻めの提案」を推し進め、工法普及を一気に加速させたのが森部でした。
前職の高知県庁で土木畑を中心に要職を歴任した森部は発注者のことを熟知しているうえ、国や県と築いた多くの人脈を持っています。2012年に危機管理部長を最後に県庁を退職して当社に入社すると、工法推進担当として発注者への提案活動を主導。県庁時代のパイプも生かしながらインプラント工法の優位性を説いて全国各地に足を運び、粘り強いアプローチで前例主義をことごとく打破しました。かつてなかなか理解されなかった工法の認知、普及がここまで進んだのは、震災もきっかけの一つではありますが、このような活動なしには語れません。

■北村精男のコメント
26歳で創業してから今年11月で、80歳の大台に乗りました。50年後、100年後、当グループは世界をリードする存在になっていなければなりません。グローバルエンジニアリング企業としての歩みを本格化した今は、やっとそのスタートラインに立ったところです。一つの節目を迎えたこのタイミングで、最も人望が厚く、私が絶大な信頼を寄せる森部に社長を継承してもらうことにしました。
私自身は会長になった後、開発の方に力を入れていきます。新しい機械や工法の構想が頭にいっぱいあるので、それらをすべて実用化したいと考えています。メーカーとして技術力をつけることは永遠のテーマ。IoTをはじめとした最先端の技術を常に導入、開発し、新しい時代を創る先進的な企業であり続けます。

■森部慎之助のコメント
技研グループは今後、グローバル展開をするエンジニアリング企業として大きく発展し、経営方針である「インプラント工法で世界の建設を変える」を実現するため、言葉だけでなく具体的な行動を進めていかなければなりません。また、北村会長が築いてきた科学に基づく原理原則や仕事のあり方などの基本を大切に、さらなる発展に向け、新しいものを次々と積み上げ、大きく成長していく会社にならなければなりません。国内はもちろん、世界にも潜在的な需要は限りなく存在しており、一つ一つ着実に実現していけば必ず達成できると考えています。
そのためには、職種は違っても社員一人一人が目標を達成するために今何をすべきかしっかりと認識し、行動することが大切です。成長を続け「世界の建設を変える」ため、私も全身全霊、全力で取り組みます。

■北村精男プロフィール
高知県香南市出身。圧入技術の着想を得たのは、高校卒業後に勤務した高知市の建設機械レンタル会社の社員時代でした。地中深く打ち込まれたH鋼に開けられた穴にピンを通して引き抜く際、H鋼の穴が上に向かって裂けるのを見て、土中の杭にかかる抵抗力のすさまじさに気づきました。地中深く打ち込まれた杭を数本つかみ、その引き抜かれまいとする力(反力)を利用して機材を固定し、静荷重で杭を押し込むサイレントパイラーは、この時の経験から得たひらめきから生まれました。

創業後は全国圧入協会(JPA)、国際圧入学会(IPA)を創設。一般社団法人高知県発明協会会長や一般社団法人高知県工業会会長などを歴任しました。2002年には紫綬褒章、2011年には旭日小綬章(発明功労)を受章。2018年には世界の海洋基礎産業への革新的な活動に授与される「ベン・C・ガーウィック賞」(Deep Foundations Institute主催)を日本人として初めて受賞しました。

 

代表取締役会長 北村 精男

■森部慎之助プロフィール
高知県津野町出身。大阪工業大工学部を卒業後、高知県庁に入庁。危機管理部長を最後に退職し、20126月に技研製作所に入社。201311月に常務取締役、201511月に専務取締役に就任。20166月から副社長に就き、圧入工法推進事業を統括者としてけん引してきました。また20203月からはグループ企業の技研ヨーロッパ(本社:オランダ)の社長を兼務しています。

代表取締役社長 森部 慎之助

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社 技研製作所 広報担当(林)
高知本社/高知県高知市布師田3948番地1
TEL:088-846-6783(平日8001700

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