建築物の杭基礎は、地上構造物の自重を支え地震や強風に耐えるために存在しています。しかし、支えるだけの構造では地下空間を活用できません。そこで、従来の基礎杭より耐震性に優れた大口径の下部構造として、力学的に安定した円筒形状の圧入杭連続壁を構築します。その内部空間を駐車場や駐輪場として利用することで、基礎の役割だけでなく別の機能を併せ持つ「稼ぐ耐震構造基礎」が誕生しました。

世界初、「稼ぐ耐震構造基礎」式オフィスビル

東京都港区港南1丁目プロジェクト[大同品川ビル]
2003年12月、世界で初めての「稼ぐ耐震構造基礎」式オフィスビルが東京都品川駅近郊に完成しました。地上9階の上部構造物を支える耐震構造基礎は、2基のエコパークⓇと1基のエコサイクルⓇ、並びに地下室で構成され、その地下耐震壁は支持層である東京礫層まで到達しています。
- 所在地:東京都 港区
- 竣工:2003年12月
- 階数:地下1階、地上9階、塔屋1階
- 基礎:圧入工法による鉄骨柱列構造(支持層:東京礫層)
- 敷地面積:1,653m2
- 建築面積:1,219m2
- 駐車場面積:2,468m2
- 駐車台数:100台(エコパークⓇ2基)
- 駐輪台数:144台(エコサイクルⓇ1基)
