圧入原理

 
 

ウォータジェット併用圧入

 

問題点:

 

砂質地盤で杭に静荷重を加えると、先端で土粒子が圧密され先端抵抗が大きくなります。また継手同士を組みあわせた間隙に細かい土粒子が入り込むと、貫入が深くなるにつれ土粒子が締め固まって継手間抵抗も増大します。大きな先端抵抗は杭の先端部と継手部を損傷させ、圧入施工を阻害する大きな要素となって杭の貫入を困難にします。

 

解決法:

 

杭先端部の地盤に高圧水を噴出する(ウォータジェット)ことで、土粒子間の間隙水圧を一時的に高め、土粒子が移動しやすい状態を作り出します。同時に地上に湧きあがろうとする噴流水で杭の周面を潤滑させながら、継手部に侵入する土石の締め固まりを防ぎます。こうして貫入抵抗力を軽減し、杭を損傷させることなく小さい圧入力で効率的な圧入施工を行うことができます。

 

優位性:

 

噴流水の量は施工状況に応じて自在に調整できるため、地盤への影響を最小限に抑えることができます。圧入工法ではすでに施工が完了した完成杭を反力とするため、ウォータジェットを併用して圧入された反力杭の周面摩擦抵抗力は圧入直後に回復していると想定できます。つまり、吐出量調整と反力確認を行いながら貫入抵抗力を軽減できるところに、ウォータジェット併用圧入の優位性があります。

世界の圧入事情(ひとくちメモ):

ドイツやオランダでは地下水や土中の間隙水に大変敏感で、ウォータジェットの使用が制限されることがあります。そのうえ、欧州製鋼矢板の性質や継手形状が日本製とは異なり、砂地盤でありながら先端抵抗より継手間抵抗が大きな阻害要素となって、杭貫入を困難にすることがあります。そういう場合はウォータジェットを使用することなく、継手間抵抗だけを効果的に低減する手法を採用し、杭貫入の三要素をうまくバランスさせています。

 

「国土交通省土木工事積算基準/平成13年度版」(監修:国土交通省大臣官房技術調査課、発行:財団法人建設物価調査会)では、ウォータジェット併用圧入を選定する基準が、下表の通り定められています。詳細に関しては原本をご覧下さい。

 

表3.1 機種選定(鋼矢板型)

 

作業の種類

圧 入

ウォータジェット
併 用 圧 入

引 抜 き

最 大 N 値

Nmax ≦ 25

25 < Nmax ≦ 50

Nmax ≦ 50

普通鋼矢板 980.7〜1471.0 kN級
(100〜150t級)

広幅鋼矢板 980.7〜1471.0 kN級
(100〜150t級)

 

表3.2 圧入長(引抜き長)

 

鋼矢板の型式

圧入長
(引抜長)
(m)

圧 入

10以下

15以下

20以下

12以下

25以下

ウォータジェット
併 用 圧 入

12以下

18以下

20以下

14以下

25以下

引 抜 き

12以下

18以下

20以下