圧入杭材の特長

 

基礎と躯体を一体化した自立式“擁壁分割”杭

 

GIKENが新しく提唱する杭材は、「フーチングレス考方」を具現化するための全く新しい発想にもとづいています。従来の方法では、地球を掘り返しフーチング(コンクリート基礎)を造って埋め戻しを行い、その上に構造物を建設します。しかしこれでは目的とする構造物の領域以外に工事影響が及び、さらに多くの仮設工事と無駄な費用が発生します。また、土留め用鋼矢板を施工し、永久構造物の一部として躯体に利用する例もありますが、使用する杭材が構造物の設計要求に適っていない場合が多く、切梁やアンカーなどの付随工事が必要となります。そこで考え方を逆転し、目的とする構造物(自立式擁壁)を分割する形で一本一本の施工用壁体(杭)を工場生産するわけです。それを現場で圧入施工し、フーチングで支える代りに地球につかんでもらって、構造物の基礎と躯体をワンステップで建設します。

 

 

たとえば道路を拡幅するための道路擁壁を建設する場合、まず擁壁の機能や求められる強度、支持層の深さや根入長、周辺環境に調和した機能性や芸術性をふまえて、基礎と躯体を一体化させた自立式構造物として設計し、それを圧入施工にふさわしい形状に分割して工場生産します。そうしてできた杭材を現場へ搬入し、仮設工事なしで直接地中に圧入施工していきます。圧入作業が完了した時点で目的とする構造物は出来上がりです。その後、仕上げ工事を終えれば道路擁壁が完成し、道路拡幅工事が完了します。

 

ハイブリッド杭材による河川護岸工事

 

「フーチングレス杭」の手法を用いれば、さまざまな材料を融合させたハイブリッド杭材が可能になります。

 

たとえば河川の護岸工事を行う場合、横方向から受ける応力に対し、少ない断面で大きな強度を発揮するH形鋼矢板を芯材として選択します。そして地中に入る根入れ部分はこれを芯材としてそのまま使用し、水に浸かる部分は防錆材としてコンクリートで覆い、水面上に露出する部分は景観材として自然石を芯材の表面に貼り付けます。これは景観を重視した護岸工事の例ですが、環境性の観点から、河川の生態系を考えて杭材にあらかじめ漁礁を設けておくことも可能です。

 

使用する材料としては、鉄やコンクリートといった一般的な建設素材、セラミックやポリエステルといった化学素材、石や木材などの自然素材があり、それらの特長を最大限に活かすことでバリエーションが広がります。

 

 

現場では、GRBノンステージングシステムによって起点から連続して杭を圧入し、終点に辿り着くと同時に機能的にも景観的にも美しい護岸が完成します。まさに、工場生産された高品質の杭材を急速施工する圧入工法ならではの優位点です。