トップメッセージ 建設をこう変える!

 

講演者:北村 精男 (株)技研製作所代表取締役社長

頁数:2ページ (特集の中扉込み)

催事:都市再生・環境フォーラム ワークショップ

形式:PDF (A4サイズ、容量419KB)

掲載誌:「日経コンストラクション」 2005年9月23日号

配信日:2005年11月18日配信開始

 

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講演タイトル

「工法革命」で実現する、強く優しい、文化的な街づくり

都市の変化や発展に柔軟に対応できる「機能構造物」のライフサイクルを実現し、環境調和型都市を創造する「垂直型開発」を推進して、地球環境保全や社会生活の向上に貢献する「インプラント工法」を、技研製作所 代表取締役社長 北村精男氏が紹介した。

 
 

ワークショップレビュー掲載号

 

建設工事は本来、環境性、安全性、急速性、経済性、文化性という5つの要件をすべて満たしていなければなりません。私はこの5つを「建設の五大原則」と名付け、工法を開発または選定したり工事の品質や完成度を判定する際の基準にしています。誰もが納得できる基準を明確にし、それを遵守しているかどうかで、適切な工法を選定する仕組みが、これからの建設業界には必要です。

 

現在の公共構造物の主流である鉄筋コンクリート構造は、この五大原則から、つまり建設工事の本来あるべき姿から逸脱しています。求められる機能を果たす躯体部より、その下部のフーチング基礎が大きいため、広い工事用地と多種多様な工程が必要となり、必然的に工期が長期化し工費が増大するからです。大掛かりな仮設工事や掘削工事により、周辺環境へも多大な影響を及ぼします。

 

そこで今日は、このフーチング基礎のマイナス要因をすべて払拭した「インプラント工法」と、それによって実現できる「機能構造物」を紹介します。

 

 

インプラント工法とは、均一な品質と保証された強度を持つ工場生産された杭材(規定構造部材)を地上から直接圧入し、地下工事なしで構造物の躯体部と基礎部を同時に構築する工法です。完成杭の引抜抵抗力を反力とし、油圧による静荷重で杭を無振動・無騒音で地中に押し込むシンプルな工程により、仮設足場や付帯設備は要らず、工事領域を最小限に抑えて工期と工費を大きく縮減します。システム化した施工機械と情報化した施工技術によって、高い次元で建設の五大原則を遵守しています。

 

打撃や振動、削孔による従来工法と違って地盤をいたずらに乱すことなく、土を押しのけながら杭を地中に割り込ませていくので、水平方向と垂直方向のいずれにも高い強度を発揮します。静荷重を加えながら構造体をつくるという圧入原理は、実施工で得た杭の載荷結果をそのまま構造物の設計に反映していく──という斬新な性能評価法を可能としました。1994年から英国ケンブリッジ大学と共同研究を実施し、学術的な解明に取り組んでいます。

 

インプラント工法で構築するのは、“永久構造物”ではなく、設計段階から機能変化による改築・移設・解体・撤去までのライフサイクルを想定した、機能本位の“機能構造物”です。

 

インプラント工法により擁壁を“機能構造物”として構築

 

公共構造物は、その目的、位置、機能において公共の便益に供する建設物であるため、本来は都市の変化や文明の発展に柔軟に対応できなくてはなりません。ところが、フーチング基礎を備えた鉄筋コンクリート構造物は、完全に取り壊して新しく構築し直さない限り、時勢の変化には対応できません。“安全”という言葉に惑わされて、目的、位置、機能を固定化した強固な永久構造物は、発展的なまちづくりにおいて、多大な無駄を生じているのです。

 

インプラント工法で構築した構造物は、施工と逆の工程を辿れば杭材を容易に引抜け、改築や移設により、求められる機能変化に柔軟に対応できます。機能の終えんを迎えた際には撤去し、跡地を元の状態に戻せるし、資材を異なる機能に転用することもできます。このように機能本位の機能構造物は、ライフサイクル全体で地球環境保全や社会生活の向上に貢献します。

 

また、インプラント工法による地下開発技術を発展させ、“地上に文化を、地下に機能を”というコンセプトに基づいた「垂直型開発」を推進しています。駐車場や物流システムなどの機能施設を徹底的に地下化し、地上には文化施設による快適な人間空間を創造する新しいまちづくりへの取組みです。20世紀の平面型開発(ブルドーザ的開発)が生み出した環境負荷や交通公害を解消し、地球と接触する開発面積を最小限に止める環境調和型都市を構築することで、環境と文明の共生を図り、持続可能な社会の実現を目指します。

 

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地下駐車場を耐震基礎

としたオフィスビル